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18歳以下10万円給付…世帯別の所得格差はいかほど?
10万円給付をめぐる諸問題、決着はつくのでしょうか。
衆議員選挙が終わってはや1週間を過ぎ、コロナ不況への本格的なテコ入れが始まろうとしていますが、公明党の掲げた「18歳以下の子ども1人あたり10万円給付」について賛否の声が止みません。
岸田文雄首相が「しっかりと調整をしていきたい」旨を表明しているなか、きのう8日には公明党の竹内譲政調会長が党提言を提出。年内給付へ調整に入っているとの報道も相まり、ネット上では「苦しんでいるのは子どものいる世帯だけじゃない」「制限のある分配とは?」といったコメントが多く寄せられています。
もちろん、子どものいる世帯への支援は欠かせません。実際の所得・貯蓄状況、世帯別にはどうなっているのか? 厚生労働省『国民生活基礎調査』(平成30年)より見ていきましょう。
■世帯別所得金額はいくら?
1世帯当たり所得金額は、全世帯平均「552万3000円」となっています。詳しく見ていくと、高齢者世帯が「312万6000円」(前年比-6.7%)、高齢者世帯以外の世帯が「659万3000円」(前年比+0.9%)、児童のいる世帯が「745万9000円」(前年比+0.3%)です。
※児童とは、18歳未満の未婚の子どもを指しています。
世帯別の貯蓄状況について見ていきましょう。「貯蓄がない」と答えた世帯は、高齢者世帯「14.3%」、高齢者意外の世帯「13.0%」、児童のいる世帯「11.6%」、母子世帯「31.8%」となっています。全世帯の平均は「13.4%」。10世帯に1世帯は、貯蓄がなく、日々の暮らしで精いっぱいな現状があります。母子家庭に至っては貯蓄なしが3割超え。困窮世帯への早急な支援が望まれていることは、データにも表れています。
一方「貯蓄がある」と答えた世帯について、貯蓄額の分布を詳しく見ていくと、高齢者世帯でもっとも多かったのは貯蓄額「3000万円以上」(10.8%)、高齢者以外の世帯の最多は「500~700万円」(9.4%)、児童のいる世帯も同値で「500万円~700万円」(10.6%)、母子家庭については「50万円未満」(9.9%)が最多となっています。
1世帯あたりの平均貯蓄額は、全世帯平均「1077万円」。しかし実際の分布図を見ると、平均からは大きく離れた実情が見て取れます。