(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代。60歳を過ぎても働くことが「もはや普通」になりつつある昨今ですが、企業側・労働者側双方の実態を見れば、残酷な現実が露わになっています。厚生労働省「令和2年 賃金構造基本調査」などをもとに解説していきます。

日本の「部長・課長」の厳しすぎる現実

厚生労働省のレポート「令和2年賃金構造基本調査」には、役職別の賃金について詳細が記されています。下記がその全貌です。

 

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男性の部長級の賃金は「60万1700円」(平均年齢52.9歳、平均勤続年数22.3年)、女性の部長級の賃金は「52万5000円」(平均年齢52.2歳、平均勤続年数18.2年)。

 

男性の課長職の賃金は「49万9000円」(平均年齢48.5歳、平均勤続年数20.6年)、女性の課長職の賃金は「44万3100円」(平均年齢49.0歳、平均勤続年数18.5年)。

 

男性の係長職の賃金は「38万1700円」(平均年齢44.8歳、平均勤続年数17.9年)、女性の係長職の賃金は「33万7300円」(平均年齢45.7歳、平均勤続年数9.0年)。

 

なお非役職者の賃金について見てみると、男性「29万8300円」(平均年齢40.8歳、平均勤続年数11.0年)、女性「24万8100円」(平均年齢40.5歳、平均勤続年数9.0年)。

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もちろんこれは平均なので、「もっともらっている」という人もいれば、「はるかに少ない」という人がいるのも間違いありません。特に役職者の場合、企業規模によって給与・責任の差は歴然。同じ肩書でもマネジメントする人数は変わりますし、プレイヤーとして大きく成長したものの、マネジメントは不得手であり、「肩書きだけもらったエース」といった存在もいることでしょう。

 

勤続年数20年を超え、50代を過ぎた部長。ガッチリお金をもらっていまの会社で働き続けるなか、「定年」の二文字が見え隠れする年齢です。60歳を迎えたそのとき、自分は何を選択するのか……。明るい未来を描きたいところですが、「定年後の再雇用」には、厳しい条件がつきものです。

 

以前掲載した下記の実例。課長だったある男性は、60歳を機に給与を半減されてしまいました。

 

“不動産管理会社で課長をしていた飛田さん(60歳/仮名)。給与は平均額と同じく49万円、ボーナスは年2回支給されていました。仕事にやりがいを感じていた飛田さんでしたが、定年の波には逆らえませんでした。


「『嘱託社員として今後もウチで活躍してくれないか?』と言われたときは、悪い気はしなかったです。年を取っても必要とされているのは嬉しいものでしょう。ただ、その喜びも一瞬だったな」

 

「嘱託社員になった場合の給与を見たら、今の半分以下、20万円ほどだったんです。雇用契約としてそんなことが許されるんですかね。バカにするのもいい加減にしてください、と思わず怒鳴ってしまいました」”(関連記事『月収49万円「課長」の悲惨な事態…給与を見て怒鳴ったワケ』)

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