(※画像はイメージです/PIXTA)

「接し方がわからない」「予想外の反応に戸惑う」大人の発達障害に悩むのは本人だけではありません。本連載では、長年、医療福祉相談員として働いてきた野坂きみ子氏が、ネットにあふれる「発達障害チェックシート」について考察していきます。

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「ASD」「ADHD」の人に多く見られる特徴

自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)の特徴は、ほかの人との情緒的な関係を結ぶことが難しく、言葉だけではなく表情や雰囲気などを理解し共有しコミュニケーションすることが難しい、興味などが限られており強い愛着やこだわりを持つ、同じようなやり方や繰り返しにこだわる、周りの刺激に敏感であるなどがあげられます。

 

ほかの発達障害にも言えると思いますが、偏食や変化への適応が苦手であったりします。

 

注意欠如・多動性障害(以下、ADHD)の特徴は、その名が表しているように、注意することに障害があり、不注意で見逃したり忘れたりしますが、それに神経的な多動があるので、勉強や会議などでも注意がほかのところに行って集中できない、こちらが話しても聞いていない、逆にほかの人が話しているのに話し出すというようなことがあります。

 

子どもの場合は教室で席を立って動く、思い立ったらその場にそぐわないこともすぐしてしまうなどの行動が目立ちますが、大人になるとそれまでの経験や学習で少なくなります。

 

しかし仕事や課題を計画立てて行うことが難しい、優先順位を決められない、やらなければならないことを後回しにする、時間の管理が難しいなどの特徴として残っていきます(以前は注意欠陥多動性障害でしたが、注意欠如・多動性障害になりました。個人的な感想ですが、日本語的には欠陥は「欠けているところがある」という意味ですが、欠如は対象のものが「ない」という意味で、欠陥のほうがよいのではないかと思います。しかし語感的な変更なのだろうなと理解しています)。

発達障害をタイプ分けすることは容易だが…

実際、それぞれのタイプは、はっきりと特徴がわかる人もいればそうでもない人もいます。またASDとADHDを重複している人もいますし、先にあげたほかのタイプを重複している人などさまざまです。

 

タイプとして記載することは可能ですが、そのタイプがそのまま一人の人間なのではありません。その特徴が生活していく中で支障になっているので、理解しやすくアプローチしやすいように障害として分類されています。精神科医療における診断と分類です。

 

そして現在では、神経の発達としての発達障害も、ほかの身体や知的能力の発達のように、重い発達の障害から、発達の凸凹、得手不得手を経由し、一般的な状態まで、グラデーションのようになっているのではないかと考えられています。

 

得手不得手という点ではだれでも発達障害的です。病気や障害としての事実はありますが、その傾向ということもあります。決定論的には考えられない、複雑な流動的な現実も含んできます。

 

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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