※画像はイメージです/PIXTA

コロナ禍で多くの中小企業が苦境に立たされています。一方でアフターコロナを見据えて、競争力強化に転じようとする経営者も。そのような中小企業に向けて、中小企業庁はじめ行政はさまざまな支援を行っています。今回は「即時償却」などの優遇が受けられる「中小企業経営強化税制」について見ていきます。

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    対象設備と要件

    制度は設備の目的に応じて、A類型からD類型が設けられています。

     

    ■A類型:生産性向上設備

    対象設備は以下の5つ。「生産性が旧モデル比平均1%以上向上する設備」という要件を、工業会などから取得する証明書を提示する必要があります。

     

    ・機械装置(160万円以上/10年以内)

    ・測定工具及び検査工具 (30万円以上/5年以内)

    ・器具備品(30万円以上/6年以内)

    ・建物附属設備(60万円以上/14年以内)

    ・ソフトウェア(情報収集機能及び分析・指示 機能を有するもの、70万円以上/5年以内)

     

    ■B類型:収益力強化設備

    対象設備は以下の5つ。「投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備」という要件を、経済産業省から確認書を取得して証明しなければなりません。

     

    ・機械装置(160万円以上)

    ・工具(30万円以上)

    ・器具製品(30万円以上)

    ・建物付属設備(60万円以上)

    ・ソフトウェア(70万円以上)

     

    ■C類型:デジタル化設備

    対象設備は以下の5つ。「遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを 可能にする設備」という要件があり、経済産業省から確認書を取得して証明しなければなりません。

     

    ・機械装置(160万円以上)

    ・工具(30万円以上)

    ・器具製品(30万円以上)

    ・建物付属設備(60万円以上)

    ・ソフトウェア(70万円以上)

     

    ■D類型:経営資源集約化設備

    令和3年4月の税制改正によって、M&A後の積極的な投資を促すことを目的に新設されました。対象設備は、M&Aにより他の法人の株式等と共に、同時に取得した修正ROA、または有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備であり、経済産業省から確認書を取得して証明しなければなりません。

    コロナ禍を好機と捉え、経営力向上を目指す

     

    それぞれの条件を満たした設備を導入、必要書類の申請、税金の申請をすると、設備の費用の全額を設備を取得した年度の経費として計上する即時償却か、取得価格の10%の税額控除(資本金3,000万円以下の法人、または個人事業主。資本金3,000万~1億円以下の法人の場合は7%)、どちらかの優遇を受けることができます。

     

    元々、2021年3月31日末までとなっていた「中小企業経営強化税制」ですが、令和3年度税制改正で適用期限が2年間延長となりました。

     

    コロナ禍で大きな影響をうけ、「設備投資なんてとんでもない」と考える企業経営者が多い一方で、コロナ禍を好機と捉える企業経営者もいます。「中小企業経営強化税制」はそんな想いをバックアップしてくれる制度です。攻めの経営を考えるのであれば、一度、専門家に相談するのもいいでしょう。

     

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