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苦境に立たされる中小企業…難局を乗り切るには
日本の企業の9割以上を占める中小企業が、苦境に立たされています。中小企業庁『2021年度版中小企業白書』によると、新型コロナウイルス感染症の影響がある(「今後影響が出る可能性がある」「影響が出たがすでに収束した」「影響が継続している」)と回答した中小企業は95.2%。そのうち7割が「影響が継続している」としています。
一方で、倒産件数は2009年以降は減少傾向で推移してきましたが、2020年は資金繰り支援策の効果で7,773件と30年ぶりの低水準を記録しました。その分、貸出残高は顕著に増加しています。国の支援なしでは、この難局を乗り切ることはできない、中小企業の脆弱な体質が露呈しました。
中小企業の財務状況は、自己資本比率は高まりつつある一方で、損益分岐点比率が高いため 感染症流行のような売上高の急激な変化に弱いとされています。このような状況から、中小企業庁などは、中小企業の経営力強化、生産性向上に務めています。そのひとつが中小企業の設備投資を後押しする「中小企業経営強化税制」です。
「中小企業経営強化税制」の要件
中小企業庁発行の資料から、「中小企業経営強化税制」の要件などを見ていきます。
「中小企業経営強化税制」は中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき設備を取得し、指定の事業で利用すると、「即時償却」または「税額控除」が受けられるというものです。
■中小企業者等とは
この制度の適用を受けるためには、まず企業が「中小企業者等」に該当しなければなりません。「中小企業経営強化税制」における「中小企業者等」は次のいずれかの企業です。
・「資本金又は出資金の額が1億円以下の法人」
・「資本金又は出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人」
・「常時使用する従業員数が1,000人以下の個人」
・「協同組合等」