(※写真はイメージです/PIXTA)

精神疾患患者は、年々増加傾向にあります。「集中力が続かない」ことなどを理由に自らに“発達障害”を疑う人も増えているようです。「病気」か否か、その境目はどこにあるのでしょうか。医療法人瑞枝会クリニック院長・精神科医の小椋哲氏が解説していきます。

「精神科なんて一生縁がないと思っていた人」ほど…

PSMの考え方は、患者の療養にも大きくプラスに働きます。

 

例えば、臨床の現場でよく出会う典型的なパターンが、「自分は精神科なんて、一生縁がないと思っていた」という人たちです。

 

こうした人たちは、精神科にかかるのは頭のおかしい人だと多数派の側から見下していたのに、突然自分が精神疾患になって異常の側に転げ落ちてしまった、なんということだ、と嘆き悲しむのですが、こうした考え方にとらわれていると、ただでさえ疾患で苦しむその患者は二重に苦しむことになります。

 

疾患に対する固定観念は、療養の妨げになります。

 

人は異常と正常のいずれかに分類されるものではなく、さまざまな領域で一定の条件がそろうと少数派の反応を起こす人がいるだけです。

 

それ以上でもそれ以下でもないことを理解してもらうだけで、スティグマが軽減し、療養に取り組みやすくなります。

 

 

小椋 哲

医療法人瑞枝会クリニック 院長

※本連載は、小椋哲氏の著書『医師を疲弊させない!精神医療革命』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

医師を疲弊させない!精神医療革命

医師を疲弊させない!精神医療革命

小椋 哲

幻冬舎メディアコンサルティング

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