専門分野が「ひとつだけ」では頼りにならない
これから不動産経営を考えるのであれば、信頼できる専門家をビジネスパートナーとして選び、その知恵を上手に活用するのが、賢い経営者のすることではないでしょうか。
では、どんなビジネスパートナーを選ぶべきでしょうか。専門家の力を利用するために委託するのですから、専門家であることは当然ですが、ひとつの分野の専門家というだけでは足りません。というのは不動産も、相続も複数のジャンルにまたがる知識、ノウハウが必要だからです。
たとえば、不動産では建物や設備など建築的な知識が必要ですし、不動産に関する法律や税務も大事です。また、市場動向や入居者の好み、広告戦略などについての知識も欠かせません。
同様に相続も税金の話だけでは足りません。法律、税務についての専門家も必要ですし、業務の立て直しを同時に行うためには財務や経営改善その他の知識も重要になってくるかもしれません。また、長期的な資産維持を考えるのであれば、不動産を所有し続けるだけでなく、資産全体の状況を考え、時には他の不動産に買い換えたり、買い増したりという場面も考えられます。その時にどのような手でも打てる専門家がパートナーでなければ、頼りにはできません。
知識に加え、問題解決の「経験」は豊富にあるか?
もちろん、知識として知っているだけでは解決はしません。不動産経営も相続対策もソリューションは個別に違います。資産の状況や家族構成などが違うので、100件のご相談があったとしたら、ソリューションは100通りあるはずなのです。
そのため、提案のない相手を選ぶと大変危険です。たとえば不動産経営では管理は重要ですが、一般の管理会社は管理が仕事です。ですから、建物、入居者の管理はしてくれるでしょうが、次の相続にあたってこの物件をどうすべきかということについての提案はまずないはずです。
たとえば、相続や事業承継を考える時期は人生の第4コーナーを回るようなタイミングです。これからの人生をどう生きたいのか、お金や時間、仕事などのうち、何を大事にしたいのかで同じ資産の運用でも違うソリューションがあり得ます。その意味では、知識に加えて問題解決の経験が豊富にあることも重要な点といえます。つまり、ひとつの問題に複数の専門家が関わるような仕組みが必要なのです。そして、実際、複数の専門家が意見を出し合うほうが最終的によいソリューションが生み出されるのです。