前回は、不動産経営のサポートを依頼する「専門家」の見極め方について説明しました。今回は、長期的な不動産経営には「専門家チーム」の関与が不可欠な理由を見ていきます。

不動産経営の前に「各方面」からの問題を洗い出しておく

よい建物をつくったほうが入居者を獲得しやすくなるとしても、収支を考えると、そこまでの予算はかけられないというように、物事にはプラスとマイナスがあり、何かを選択する場合には、その両面を見る必要があります。それをせず、税務の面から、収支の面からと単一な見方で解決を図ろうとすると、その時はよかったとしても後日問題が発生する可能性があります。

 

不動産のような長期にわたるビジネスでは、そうした事後のトラブルは避けなければならないこと。事前に各方面からの問題をすべて洗い出し、検討し、最適なソリューションを生み出す。そのためには複数の専門家がチームとして関わらざるを得ないはずなのです。

複数で情報共有すれば一人が欠けても問題は起きない

チームで関わることにはリスクマネジメントという側面もあります。一人の人間に全部を依頼していたとして、その人に何かがあったらそれまでの経緯が分からなくなり、一から対策を考え直さなくてはいけないことにもなりかねません。一人いなくなると何もかも分からなくなるのではリスクが高すぎます。

 

しかし、複数の人間がひとつの問題解決に関わっているとしたら、誰かが抜けてもその不足を他の人が補ってくれます。長期に付き合うことを考えると、少しずつ人が入れ替わったとしても同じチームであれば経緯が分からなくなったり、一からやり直すような事態は生じません。子どもの代、孫の代になっても、当初からの経緯を伝え、長期にわたって資産を維持する作業が続けられるのです。

 

筆者自身も4年前の経験からチーム経営という考え方を大事にしています。4年前、娘が大病を患ったことがあり、その看病に専念するため、半年ほど会社に来られなかったことがありました。その時にその不足を埋めてくれる仲間たちがいなかったら、到底会社は続けられませんでした。廃業しても仕方ないような状況だったのです。

 

しかし、多くの社員に支えられ、筆者はその期間を乗り切ることができました。経営同様、長い目で資産承継を考えるのであれば、多彩な専門家がチームとして解決にあたる方式がよいと考えるのは、そうした経験から得た答え。収益を安全に最大化し、リスクをできるだけ排除するためにはベストな方法ではないかと思っています。

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    本連載は、2015年1月23日刊行の書籍『大増税時代に資産を守る富裕層の不動産活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

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    磯部 悟

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