(※写真はイメージです/PIXTA)

店舗にとって非常に重要な広告手段である「看板」。ウェブ広告が重視されている今でも、そのマーケティング効果はあなどれません。看板の“うまい活用例”をもとに、集客数増加につながる活用のポイントを、看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が解説していきます。

「華やかにしたい」…植木鉢が“逆効果”であるワケ

植木鉢が増えることによって店前がごちゃごちゃし、整理整頓できていない店という印象を与えます。手入れが行き届かず、花が枯れたりすることによって、華やかさとは真逆のみすぼらしい見た目にもなります。

 

看板に限らず、モノは一つひとつが情報を発信します。花を置けば、お客さんは「花が好きな店主なのだな」と思います。そのため、何かモノを置くのであれば、そのモノがお客さんにどんなメッセージを発信するか考える必要があります。

 

つまり「花が好きな店主」という情報を、わざわざ発信する必要があるなら花を置くのがよいでしょうし、発信する必要がないなら、花を置く必要もないということです。

 

また、「花が好きな店主」と伝えたい場合も、その情報がどれくらい重要かを考える必要があります。

 

店頭のスタンド看板でおすすめメニューを伝える場合、看板が「これがおすすめです」と情報発信します。お客さんに伝える情報の優先順位としては、「花が好きな店主」であることより「おすすめメニュー」のほうが高いはずです。おすすめメニューをより伝えやすくするのであれば、優先順位が低いその他の情報はなくしたほうが得策です。

 

「花が好きな店主」であるという情報や、その情報を発信する花そのものをなくすことにより、伝えたいことを絞り込み、伝えやすくするのです。

 

逆に、伝えたいことを伝えるために必要なものであれば、店頭や店内にたくさん並べるのがよいでしょう。例えば、安売り店の店頭はセール品が雑然と並べられています。ドラッグストアなどではセール品を無造作に積んでワゴンセールをしていたり、商店街の洋服屋などでは安売りの洋服をハンガーにかけて店前に出したりしています。

 

これらはファサードがごちゃごちゃして見える要因ですが、必要か不要かという視点で考えると、必要です。なぜなら、セール品を並べることにより、「この店は安いです」という最も重要な情報が伝わりやすくなるからです。

 

店内についても、例えば、ドン・キホーテやヴィレッジヴァンガードの店内はごちゃごちゃしています。これも整理整頓されていない印象を与えますが、「あらゆるものがそろっている」「面白いもの、変わったものを売っている」といった重要な情報が伝わりやすくなるため、このタイプの店にとっては、店内が雑然としていることが重要なのです。

 

 

越智 一治

有限会社オチスタジオ 代表取締役

※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

看板マーケティング戦略

看板マーケティング戦略

越智 一治

幻冬舎メディアコンサルティング

ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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