(※写真はイメージです/PIXTA)

店舗にとって非常に重要な広告手段である「看板」。ウェブ広告が重視されている今でも、そのマーケティング効果はあなどれません。看板の“うまい活用例”をもとに、集客数増加につながる活用のポイントを、看板製作会社「有限会社オチスタジオ」の代表・越智一治氏が解説していきます。

女性専用で「外から見えないジム」…どう周知する?

同じスポーツジムの業態ですが、カーブスはガラスを覆って中が見えないようにしています。カーブスは女性専用で、女性は運動している姿を見られたくないと思う人が多いため、会員の安心感を高める工夫としてカーブスは外から中が見えないようにしています。

 

窓を覆っているため、他のスポーツクラブのように動きで注目を集めることはできません。しかし、カーブスは別の効果的な方法で店の存在や業態を周知しています。

 

その方法は、店頭に大きく掲げた「女性だけの30分健康体操」というコピーです。このコピーを大々的、かつ前面に打ち出すことで、カーブスがスポーツクラブであり、女性専用であることも分かります。初見の人は、Curvesやカーブスという施設名より、「女性だけの30分健康体操」が印象に残るでしょう。

 

ポイントは、業態や特徴が一瞬で分かることです。看板のコピーは、「何屋なのか」「何ができるのか」を伝える役割をもちます。その点で、カーブスの看板は優秀ですし、お手本となる看板といえます。

 

「何屋」で「何ができるのか」を一瞬で伝えるその他の看板例として、「30分2980円」などと大きく掲げているマッサージ店があります。「うどん」「ラーメン」「焼肉」など業態を前面に掲げている看板もこのタイプで、1秒で特徴が伝わる優秀な看板といえます。

 

コピーではなくデザインで分からせる優秀作品は、かに道楽のかにです。かにの大看板を見て、うなぎの店だと思う人はいないはずです。看板は、情報量が増えるほど一つひとつの情報が伝わりづらくなります。何を伝えたいかを厳選し、絞り込むことが重要で、それを実現しているのが、カーブスやかに道楽の看板ということです。

 

コピーを絞り込むということは、必要な情報を整理するということです。

 

これはファサードや店内のレイアウトなどでも重要なポイントで、必要なものを残し、不要なものを撤去することにより、伝えたいことや見せたいものが引き立ちやすくなります。

 

ファサードを例にすると、入り口に植木鉢をたくさん並べている美容院や喫茶店を見掛けることがあります。地方や住宅街の個人経営の店でよくあるケースです。店主としては、華やかな雰囲気を演出したいと考えるのでしょうが、これはたいてい逆効果です。

次ページ「華やかにしたい」…植木鉢が“逆効果”であるワケ

※本連載は、越智一治氏の著書『看板マーケティング戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

看板マーケティング戦略

看板マーケティング戦略

越智 一治

幻冬舎メディアコンサルティング

ピーター・ドラッカーは、マーケティングの理想は「販売を不要にすること」であると言いました。 つまり、営業マンが売り込みに走り回らなくても、商品やサービスが「自ずから売れるようにすること」が究極のマーケティングだ…

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