回復堅調な「フィリピン株式市場」…いま、注視すべき銘柄 写真:PIXTA

大統領選が迫り、注目の高まるフィリピン。海外投資家の動きも活発になり、株式市場は回復の兆しを見せています。そんなフィリピン株式の最新情報を、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターである家村均氏がレポートします。

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外国人投資家も注視…フィリピン株式市場回復へ

最新の統計によると、新規感染者数は平均で約30%減少し、2ヵ月ぶりの低水準となっています。ワクチンの普及も活発化しており、2,300万人のフィリピン人が既にワクチンを接種し、2,600万人が2回目の接種を待っている状態です。

 

このような状況下、コロナパンデミックへの懸念が和らいできたことから、市場センチメントは強気に転じ、投資信託などの外国人投資家の資金も活発にフィリピンに入ってきており、フィリピン総合指数(PSEi)は、7000ドル台を回復。堅調な動きになってきました。

フィリピン総合指数銘柄、30社を入れ替え

PSEi(30社)の銘柄入れ替えがありました。クリーンエネルギー発電会社「ファーストジェン(FGEN)」が抜け、日本のホームセンターような業態の「WILCON社」が10月11日に組み入れられたのです。

 

理由は、米大手ファンドの「KKR」が「FGEN」株を買い進めていることにより、市場での流動性が低くなったためです。「KKR」は、大きな成長が期待されるフィリピンのエネルギーセクター他インフラ分野への積極投資の方針を示していて、他のグローバルファンドもこの動きに同調し、フィリピン投資の動きに拍車がかかることが予想されます。

 

「KKR」の株取得で株価が上昇した「FGEN」ですが、2022年のPERが6.9倍、PBRが0.6倍と、依然として割安と見られています。コロナ前の水準では、フィリピン株式市場における機関投資家などの外国人投資家の比率は約50%でした。現在これが40%程度ですので、外国人投資家の資金の戻りはこれから本格化してきますので、これは株価の下押し要因です。

Converge ICT…フィリピン・ブロードバンドの波に乗る

ブロードバンド通信「Converge ICT(CNVRG)」は、「Converge Business」を設立し、BTB向けのビジネスを強化します。21年上半期の企業向け売上高は前年同期比で5%の微増でしたが、中小企業の需要が拡大し、総顧客数が前年同期比67%の大幅増加になりました。今後このBTBビジネスは、「CNVRG」の成長を大幅に加速させると考えられています。

 

家庭用加入者数の増加が鈍化すると予想されるため、24年度以降は、企業部門が「CNVRG」の収益成長においてより重要な役割を果たす可能性があります。「CNVRG」のDCFベースのターゲット価格は41.80ペソで、直近の取引価格から20%アップサイドがあります。

アライアンスグローバル…自社株買い開始

「アライアンスグローバル(AGI)」が40億ペソの自社株買いを開始し、2024年4月まで継続する予定です。

 

不動産ディベロッパー「メガワールド(MEG)」、カジノ「Resors Worl」dを運営する「Travellers」、マクドナルドを運営する「Golden Arches」などの「AGI」の子会社の多くが、パンデミック前のレベルに戻るのは、2023年以降になると予想されていることを考えると、株価の下支えになると考えられています。「AGI」の目標株価は13.10ペソで、現在の価額に対して61%のアップサイドが見込まれています。

セミララ・マイニング…国際価格上昇で期待感高まる

石炭価格の上昇により、「セミララ・マイニング(SCC)」のイシドロ・コンスンジ会長は、第4四半期の石炭収入は少なくとも50%上昇し、22年第2四半期までは価格が上昇すると予想しています。

 

「SCC」が生産する石炭は、第2四半期には1トンあたり50~65ドルだったものが、約110ドルと倍増しています。中国は今年第2四半期に「SCC」が保有する150万トンの石炭在庫を、1トンあたり約40ドルで買い占めたといわれています。「SCC」は、生産量の約50%を輸出していますが、海外出荷分の90%を中国に販売しています。

 

フィリピン国内の石炭生産量の90%を占める「SCC」では、収益を21年第4四半期には50%以上増加すると見込んでいます。

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング エグゼクティブディレクター

慶応義塾大学経済学部卒業後、東急電鉄に入社し、海外事業部にて、米国・豪州・ニュージーランド・東南アジアなどで不動産開発や事業再構築業務に従事。また、経営企画部門にて東急グループの流通・メデイア部門の子会社・関連会社の経営・財務管理を実施した。(約15年)
その後は、コンサルティングファーム(アクセンチュア・ユニシス)や投資ファンド(三菱UFJキャピタル)などで、企業や自治体の事業再構築、事業民営化等の支援や国内外のM&A案件のアドバイザリーを実施。現在、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングにて、日本他の投資家および企業、ファンドなどに対してフィリピン不動産の販売やフィリピンへの事業進出のアドバイスを行っている

著者紹介

連載投資すべき国No.1「フィリピン」を取り巻く最新事情

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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