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試算すればするほど、老後の危機が浮き彫りになる医師
総務省が実施している家計調査によれば、医師をはじめとする高額所得者の生活費は驚くほど高額です。その金額は月額で80万円以上、1年間では1000万円近くものお金が使われているのです。一般的なビジネスパーソンの家庭と比較すると、どれだけ浪費しているかがわかると思います。
いったん上がってしまった生活水準というものは、節約して下げようとすると難しいもの。やがてその不満は蓄積され、ストレスも溜まっていいことは何ひとつありません。また、下がってしまうとふたたびそこまで上げることはとても大変なことなのです。
こうした現状に加え、子どもが医学部に進学したい、となれば教育費もかさんできます。さらに、将来の目標であった開業資金も必要となれば、いくらお金があっても足りない、という気持ちにさえ陥ってしまうでしょう。
老後の生活を考えたとき、高齢夫婦が必要とする平均生活費は毎月26万円。勤務医と開業医で金額の差も出てきますが、もらえる年金は約15万円~22万円と、これを満たしていません。
家計調査によれば、50歳代医師(年収1300万円前後)の貯蓄額は2400万円程度。年収から年間生活費1000万円を差し引いた300万円を貯蓄し続けた場合、10年後には貯蓄総額が5400万円となります。ここで退職し、80歳代まで貯蓄のみで生活すると、1カ月30万円ほど捻出することができます。ただし、高齢化が進む現代社会では、90歳以上の生涯も珍しくありません。そうなると18万円程度、と想定できます。
その結果、勤務医と開業医で額面は変わってきますが、貯蓄と年金を併せた毎月の生活費は約33万~40万円程度。これなら平均的な高齢夫婦の26万円を上回っていますが、それまで数十年の人生を浪費生活してきた医師が満足できるわけがないのです。
毎月生活費として費やしてきた80万円が、半分以下になってしまうことを想像してみてください。その生活レベルは劇的に変化をすることになり、若いうちから資産形成をしておくべきだった、と後悔の日々を送ることになるのです。