【関連記事】年収1500万円前後だが…勤務医が「資産10億円」になれるワケ
表面利回りと実質利回りの違い
ひと昔前までは、物件情報というものは、現地に出向いて不動産会社から収集するというものでした。今でもそれは必要不可欠ではありますが、インターネットが全盛の時代となり、スーモやホームズなどのメジャーサイトや収益物件専門のサイトまで、日本中のすべての情報が網羅されているような状況になりました。
そうしたサイトで情報を調べるとき、いちばん気にされるところは表面利回りだと思います。しかし、これを鵜呑みにしたり、この数字の意味を理解していなかったりすると、その物件の正体はお宝ではなく、とんだ不良物件の可能性もある、という場面に遭遇しかねないのです。
まず利回りとは、物件価格に対する年間の家賃収入の割合を意味します。たとえば1億円の物件の家賃収入が年間1000万円なら利回りは10%、すなわち10年で物件購入価格を回収できるということ。つまり、この数値が高ければ高いほど収益性が良いことになります。
ところがサイトに表示されている利回りは、基本的に表面利回りです。これは、その物件が仮に満室状態だった場合の家賃収入から算出したことを意味しているのです。
満室であればその数字になるのですが、満室にならない可能性は十分ありえるのです。そのうえ、物件が古ければ基準となる家賃もいずれ下げなくてはならない事態になりかねません。場合によっては、物件の状態にもよりますが、すぐに補修工事が必要になることだってあるのです。
大切なことは、不動産投資をされる人にとって必要な利回り情報というものは、実質利回りであるということ。これには物件やその周辺地域が持つそれぞれの特徴が加味されているのですから、購入前の想定とのズレもそんなに発生しません。しかし、サイトに表示されている表面利回りからは、さまざまな情報を読み解くことはできないのです。