笑顔で挨拶をするホームは安心なのか
最近の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、競争が激しくなってきたからかもしれませんが、見学者に対しても職員さんからきちんとご挨拶していただけるところが多くなってきました。
介護保険制度が発足した当時は、介護は「福祉」の世界であり、「サービス業」という認識がなかったこともあってか、ご挨拶していただける職員さんは少なかったのですが、介護保険3施設、いわゆる特養や老健、介護療養型病院でもご挨拶していただける職員さんが増えてきています。
最近はスーパーマーケットで店員さんから挨拶していただけなくなってきていますが、そういった意味では、スーパーマーケットよりサービス業としての精神が根付いてきたのかもしれません。
当編集部が何カ所か見学していても、半数以上の職員さんからご挨拶していただけます。
笑顔の「中身」から職員の「人間力」がわかる
職員さんが入居者や見学者に見せる顔には3つのタイプがあるといわれています。
1.仕事がキツ過ぎて表情のない顔
2.貼りつけたような笑顔
3.自然で素直な笑顔
1に関しては、挨拶しても、目礼はしていただけるが笑顔を見せないといった態度が多く、すぐ分かります。
では、2と3をどう見極めるか。これに関しては、見学をされた時に、営業の方、もしくは生活相談員の方を待っている1人の時に、見極めるチャンスがあります。サービス業的な「スマイル」の教育をされているだけのホームでは、特に介護職員に関しては、初見の見学者が1人でいる時にご挨拶はありません。
しかしながら、ホームの見学対応職員(例えば生活相談員など)の方にご案内いただいている時は、きっちり笑顔でご挨拶していただけます。
また、営業の方にご案内されている時に、1人で立ち止まってホーム内を見てください。営業スマイルのホームの介護職員は、見学者が通り過ぎたあとに本当の顔を見せます。
見学とは離れた場所で、通常働いている時の職員の顔を見て、入居者に自然な笑顔で接している職員がどれだけいるか。これが3の「自然で素直な笑顔」を見せているか否かであり、自然で素直な笑顔を見せる介護職員は、そのまま、「優しく」「常識がある」方です。
介護職員さんは、一般の方よりホスピタリティマインドは高いと思いますが、やはり優しく常識のある方に介護されたほうがうれしいものです。自分より年長のご高齢者に自然に尊敬の念が抱けるか。入居者の価値観が理解できるか。これは社会人としての「人間力」が問われます。
そういう職員かどうかを判断するための一歩目が、「自然で素直な笑顔」ではないかと思います。
職員不足の今だから分かる本当のホスピタリティ
最近は介護職不足で、ホームの配置定員どおりの職員配置をなかなかできない事業者が増えています。また、無理な職員ローテーションのために、休日返上で働いている職員の方も大勢いらっしゃいます。
職員の方々は日々の業務をこなすのに精一杯で、笑顔を向ける余裕をなかなかもてないのが現実だと思います。
そういう時こそ精神的なゆとりをもって、入居者だけでなく見学者にも笑顔で挨拶ができる職員が多くいるかどうかが、そのホームのサービスの質を反映する鏡になっているのではないかと思います。
荒牧 誠也氏
株式会社ベイシス
取締役シニア事業部長
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