「手や腕にメモを取るスタッフがいる」施設は要注意…有料老人ホームの見学ではどこを見るべきか?

「手や腕にメモを取るスタッフがいる」施設は要注意…有料老人ホームの見学ではどこを見るべきか?
(写真はイメージです/PIXTA)

老人ホーム紹介サイトなどで、よく「有料老人ホーム見学時のチェックポイント」が掲載されていますが、そのチェックポイントを確認する方法を掲載しているサイトは少ないです。本記事では、有料老人ホームの見学で、チェックポイントを確認する方法について、株式会社ベイシスの取締役シニア事業部長である荒牧誠也氏が解説します。

有料老人ホームでチェックポイントを確認する方法

老人ホーム紹介サイトなどで掲載されている「有料老人ホーム見学時のチェックポイント」を見てみましょう。例えば、ある会社のサイトでは10のチェックポイントとして、

 

1.スタッフの身だしなみと挨拶
2.入居者の顔色や身なり
3.介助の様子でスタッフの質を見る
4.食事中の様子を見せてもらう
5.献立で食事への工夫を確認する
6.個別食・治療食に応じてくれるか
7.まずは清潔かどうかが第一
8.居室の間取りや備品、日当たりなど
9.ホーム内環境と外部・周辺環境
10.イベントやレクリエーション

 

などが挙げられています。

 

この会社のサイトでは「見学時のポイント」を分かりやすく示していますが、10項目をすべて満たすホームとなると高価格帯になるでしょう。予算面を精査してから見学するホームを選択することをおすすめします。

 

■チェックポイントの活用法

 

それでは先ほどのチェックポイント1〜10のなかから1.2.4.6.7.8.10のチェックポイントについて、見学時に注視することをお伝えしましょう。

 

1.スタッフの身だしなみと挨拶

 

・メモやペンを携帯し活用しているか。手や腕にメモを取っていないか。

なぜならば、介護職は超多忙。そんななかでも入居者の状態変化があればきちんとメモできるよう、常にメモとペンを携帯しているかチェックしてみてください。忙しいからと腕や手をメモ帳にしている職員も多いですが、そんなメモでは時間が経てば忘れてしまいます。

 

・ホーム長や営業の方と離れてみてもきちんと明るく挨拶してくれるか。

見学時に見学応対職員さんから少し離れてみてください。「トイレをお借りします」がいちばん良いかもしれません。見学応対職員と離れていても笑顔で挨拶してくれる職員が何人いるか。ここが重要です。

 

2.入居者の顔色や身なり

 

・着用している服装をチェック。

きれいな服を着用していても、パジャマやジャージでは嫌ですよね。そんなホームはモーニングケア時にきちんと着替えを行ってくれないホームです。

 

4.食事中の様子を見せてもらう

 

・見学時間を食事時間帯にして食事介助の様子を見る。

声をかけてコミュニケーションを取りながら、食べやすい大きさに刻み、ゆっくり食事介助をしているホームは、全体の介助力も高いといえます。

 

6.個別食・治療食に応じてくれるか

 

・献立表は必ずチェック。

見学時にはパンフレットと一緒に「献立表」を渡してくれるホームがほとんど。逆に渡してくれないホームは要注意です。

 

・治療食対応は必ずチェック。

特に糖尿病、腎臓病の方は要注意です。これらの病気をおもちの方は、きちんと対応してくれるかどうかは必ずチェックしてください。

 

7.まずは清潔かどうかが第一

 

・共用トイレ、脱衣室、廊下、事務室をチェック。

最も汚れやすい場所は共用トイレと脱衣室。こちらの清掃が行き届いているか、整理整頓されているか。両箇所を見ればホーム全体の清掃への姿勢がよく分かります。また、廊下が物置になっていないか、事務所の机に書類が山積みになっていないかもチェックポイントです。

 

8.居室の間取りや備品、日当たりなど

 

・見落としがちなのがトイレのウォシュレット。あと、介護付き有料老人ホームなら介護ベッドや車椅子が買い取りや有料貸し出しになっていないかをチェックしてください。

 

10.イベントやレクリエーションなど

 

・入居対象者の好みに合った共用施設やイべント・レクリエーションがあるか。

ホームでの生活は退屈なもの。入居対象者の趣味や希望に対応できる共用施設があるかどうかは要確認です。

 

■結局は居心地。ホーム長に共感できるかがポイント

 

なにより大切にしてほしいのは、1.ホームで長く暮らせるか、2.自分に合ったホームか、3.居心地が良いかの3点。特に看護体制、医療連携、認知症対応力は要チェックです。

 

せっかく、入居したホームでも病気になり入院してしまったら、元も子もないからです。入居対象者の健康状態を鑑み、もともと身体の弱い方、病気がちな方は医療看護体制が整ったホームを選びましょう。

 

また、認知症が進行し、「対応できませんから退去をお願いします」というホームもよくあります。認知症の方は、ホームの認知症対応力のチェックも忘れずにしてください。

 

なによりも大切なのは、「自分に合った、居心地の良いホーム」を選ぶこと。そのためには、「これっ!!」と思ったホームでも、慌てて入居を決めずに5日間程度の体験入居を経て入居されることをおすすめします。

 

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荒牧 誠也

幻冬舎メディアコンサルティング

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