アクティビティ活動のチェックポイント
皆さんは老人ホームの1日の過ごし方についてどのようなイメージをもっていますか? 「結構なお金を払っているんだから、毎日、カラオケや散歩、趣味の活動で埋め尽くされているのでは?」と想像するかもしれませんがそのようなことはありません。
実際には要介護高齢者は体力も落ちてきているので、食事、おやつ(おしゃべり)、入浴、体操などで精一杯。アクティビティに取り組むのも週に3回程度がちょうど良い加減なのかもしれません。
アクティビティとレクリエーションの違い
老人ホームアクティビティケアとは、施設でいきいきとした生活を取り戻すためのケアのことです。
各ホームでは職員が工夫を凝らし、心身の活性化のためにさまざまな活動を行っています。アクティビティケアの例としては、
2.散歩、体操、身体を動かすゲームなどの運動
3.頭の体操(囲碁、将棋、オセロ、トランプ、オンラインゲームなど)
4.食事の前の嚥下体操
これらをケアの一環として行い、喜びや楽しみを見つけ出して、いきいきと暮らしていただきます。皆さんが、通常思っておられるレクリエーションは、アクティビティケアの一部です。
身体や頭を動かすことは、脳の活性化にもつながりますし、自分に合った活動を行い、参加することで生活に楽しみを見出せます。アクティビティケアで特に大切なことは、高齢者の心を動かすことと、高齢者に快適を提供すること。「楽しいなあ」「心地良いなあ」「懐かしいなあ」と感じてもらうことが第一です。
昨今、認知症ケアとして、音楽療法やゲーム、環境調整や回想法などの訓練療法、アニマルセラピー、演劇療法、園芸療法なども行われています。
アクティビティに本当に参加できるかが肝心
最近は多くのホームが、アクティビティ活動に力を入れ、さまざまな活動を取り入れています。ホームに見学に行かれた際に「アクティビティメニューを見せてください」と言ってみると良いでしょう。
きっちり、1カ月のメニュー表を渡してくれるホームは、アクティビティに力を入れているホームです。営業マンが口頭で、「毎日、なんらかの活動を行っていますよ」や、「主にカラオケです」というホームはアクティビティに力を入れていないホームです。
そのようなホームが悪いとはいいませんが、アクティビティに期待してホーム選びをされている方にはふさわしくないホームです。
また、メニュー表で毎日、なんらかの活動を行っているように見えても、実際に参加できるかを聞いてみましょう。ケアの人員不足で、「車椅子の方は、この活動には参加できません」と言われたり、「寝たきりの方は、参加できません」と言われたりするホームも結構あります。
あるホームに訪問した時、アクティビティ活動一覧を見せていただき、各活動の参加者を聞いたところ、100人規模の施設で、どの活動も4、5人ということがありました。
平均介護度が2.5程度で重度の方も多いホームなのに、外部講師を多用して軽度の方対象の活動をそろえられているので、実際の参加人数がほとんどいない場合も多々あるようです。
入所前に見学に行き、アクティビティメニューを見て、入居者の好きなメニューがたくさんあれば、楽しんで暮らせます。
入所しても、参加できなければ元も子もありませんから、そのようなことがないように、入居対象者の状況をきちんと話し、アクティビティに参加できるかどうかは必ず確認しましょう。
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