税務調査を録音することはできるか?
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
迷惑!徹夜マージャンを4ヵ月も…裁判でどうなった?
1 近隣への迷惑行為に対してはどのような対応が考えられるか
基本的に、音がひどい、飼っている動物の匂いがひどい等の迷惑行為に対しては、被害を受けている隣人本人が、加害者に対し賠償請求をすることになります。
ただ、「受忍限度論」に気をつけてください。ある程度の騒音や匂いは生活から当然発生するので、受忍限度を超えるものだけが違法となるという理論です。
この受任限度を超えるかどうかは、侵害行為の態様、侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、侵害行為の持つ公共性ないし公益上の必要性、侵害行為の継続の経過及び具体的状況、被害防止措置の有無とその内容、効果等の諸般の事情を総合的に考慮して決定されます。
しかし隣人同士で賠償請求というのは、報復等が怖いものであり、なかなか難しいことでしょう。そこで、大家が迷惑居住者を訴えることを検討する場合があります。ほかの賃借人から苦情が来たり、ひどいときには賃借人が隣人の迷惑行為を理由に引っ越したりして、大家としても困ってしまうからです。
2 近所への迷惑行為に関する過去の裁判例
〇債務不履行として契約解除・明渡が認められた場合
⇒ 徹夜マージャンを4ヵ月間一晩おきに深夜やっていたケースの騒音につき、賃貸借契約解除・明渡を認めた【東京北簡易裁判所昭和43年8月26日裁判例】
⇒ 隣室への通路に私物を置いて通行妨害をしたケースにつき、賃貸借契約解除・明渡を認めた【東京高等裁判所昭和61年10月28日裁判例】
等があります。
〇隣人が引っ越したことにより得られなくなった賃料相当の損害賠償が認められた裁判例
⇒ 隣人が引っ越したことにより賃料が得られなくなった分の大家からの損害賠償請求が認められた【東京地方裁判所昭和54年10月3日裁判例】
ただし、訴えられた被告に代理人が就いていないまま判決になったこと、また被告がアパートの住民にしょっちゅう罵声を浴びせたことにより全員が退去する等、あまりにも被告が問題のある人間であったという特殊なケースではあります。