(※画像はイメージです/PIXTA)

争族、離婚トラブル、労働問題…弁護士事務所には今日も様々な相談が舞い込みます。本連載では、弁護士法人アズバーズ代表の櫻井俊宏氏が、実際に寄せられたトラブル事例を紹介し、具体的な対策を解説します。※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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「もうやめて…」不倫を重ねるモラハラ夫が激怒

「うるせえ、誰のおかげで食っていけてると思ってんだ!」

 

「わかった、わかりましたから、もうやめて…」

 

医師として働く私の夫。昔から、職場や出会い系、飲み屋等、知り合った女性とは誰彼構わず不倫を繰り返しています。好き放題に生活する横暴な人ですし、一度キレ始めると止められません。今回の不倫ではなんと、女性Aにマンションを買って住ませているとのことです。

 

「この家はもう売る。俺はAのマンションに移るから、お前は早く出ていけ!」

 

凄い剣幕でした。このままでは暴力を振るわれるかもしれません。過去最大の危険を感じた私は、やむを得ず家を出て静岡の実家に戻りました。すると間もなく、私のスマホに夫からメールが届きました。

 

「あの家、XXX不動産で売却に出しているから」

 

このままでは家を売られてしまう…私はすがる気持ちで弁護士のもとを訪れました。

 

「それは大変ですね。不倫の証拠があるようだから、不倫の損害賠償請求に基づいて、家を仮差押えしましょう。それと同時に婚姻費用分担請求の調停も申し立てましょう」

 

不倫の損害賠償分を確保するためには、まずは家を売られることを防がなくてはいけません。その方法として「仮差押」というものがあるそうです。「婚姻費用分担請求」は、生活費を請求する手続だそうです。

 

弁護士はすぐに動いてくれて、裁判所で仮差押が認められました。家と土地の登記簿謄本を見ると、弁護士に伝えられたように「仮差押」の記載があります。

 

「このような問題状態の物件を買う人は普通いないから安心してください。離婚と慰謝料請求の話が進むときに、しっかり財産分与してもらいましょう」

 

その後、生活費をもらう婚姻費用の調停が始まりました。私達は、静岡にある弁護士事務所から、電話にて参加しました。

 

次ページ「生活費を支払ってください。」夫はキレて…

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