(※画像はイメージです/PIXTA)

「相続対策はいつ頃から始めるべきなのだろう…」。そう気にされている方は少なくないでしょう。自身が元気に暮らしている間は、考えることに特に抵抗があるかもしれません。しかし、税理士法人田尻会計の税理士・古沢暢子氏によると、相続対策はいつ始めても早すぎることはなく、遅すぎることもないのだといいます。今回は古沢氏が、事例をもとに、有効な相続対策について解説していきます。

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父が所有する「賃貸マンション」の相続対策

Aさんのお父様は、都内に在住し神奈川県に賃貸マンションを所有しています。お父様が85歳とご高齢になったこと、賃貸マンションが築30年を経過し、近々外壁等の修繕が必要となることから、資金繰りを含めた相続対策についてAさんの相談を受けることになりました。

神奈川県の賃貸マンションは建築当初より、Aさんとお父様が設立した不動産管理会社で管理され、所得分散を含めた相続・事業承継対策がすでに行われているようでしたので、今回はまずお父様の財産と債務について整理し、現状の財産評価額と相続税額を算出し、改善すべき点があるか検討することにしました。

相談:今相続が発生したら、相続税を現預金で払えない

Aさんのお父様の相続財産と債務について聴き取りをし、その評価を行ったところ、相続財産のうち土地の占める割合が60%、建物の占める割合が30%であり、算出された相続税を現預金で支払うことができないことがわかりました。

 

また、賃貸マンションの建築資金を含む借入金については、返済期間が残り4年程度となっており、借入を完済した4年後の相続税額は、現在の相続税額より2,000万円増える試算になりました。

 

もし、今お父様に相続が発生した場合には、相続人であるAさん自身の現預金を使って納付をしなければなりません。それが難しい場合は、不動産を売却して納税をするか、物納や延納を検討する必要があるでしょう。

 

さらに、借入金の返済が進むに連れて相続税が増えていくことについて、どのように対処していくか、お父様と一緒に考えていただくことにしました。

改善策:「返済期限の延長」で納税資金を確保

お父様は「息子に借金を残したくないので、自分が元気なうちにできるだけ早く借入を返済したい」と考えており、資金繰りが厳しいなかでも返済が遅延することはありませんでした。

 

しかし、実際に資金繰りを含め実務を担当しているAさんは、「現状では返済のために不動産事業をしているようなものだ、父にはもう少し余裕のある生活をさせてあげたい。そのためには自分が債務を引き継いでもよい」と感じていました。

 

そこで、借入金の返済期限を延長した場合、相続財産と債務の構成割合と相続税額がどのように推移するかについて、いくつかのパターンを作成し、まずはお父様に説明をすることにしました。

 

返済期限を延長した場合、返済に充てられていた現預金(正の財産)が手元に残ることになり、同時に借入金残高(負の財産)も緩やかに減少していくことになります。その結果、相続財産のうちに現預金の占める割合が増加し、納税資金を確保できる試算となりました。

 

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