「不動産相続」にも影響…「遺留分侵害額の請求権」について税理士が解説 (※画像はイメージです/PIXTA)

令和元年の遺留分に関する民法改正で、遺留分の請求権が金銭債権となりました。改正前は、遺留分の減殺請求があった場合、遺贈等の対象となった不動産や非上場株式等が共有状態となっていましたが、改正により、遺留分の請求が「財産(所有権)の返還」ではなく、「遺留分相当額の金銭」となったことで、複雑な権利関係の発生を回避し、より円滑に相続や事業承継を進められるようになったのです。今回は、遺留分の計算や注意点について、民法改正が相続税や譲渡所得税に与える影響に留意しながら、解説していきます。

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相続の頻出ワード「遺留分」とは一体何なのか?

遺留分とは兄弟姉妹を除く法定相続人に、最低限保証されている遺産の取得分のことです。

 

被相続人が遺言を作成した場合、その意思は尊重すべきですが、相続により継承される財産には、相続人の生活の安定や公平な分配をするという役割があるため、財産処分において一定の制限を設けたのが、遺留分制度ということになります。


遺留分は兄弟姉妹を除く法定相続人に与えられた権利です。具体的には配偶者・子、被相続人の父・母など直系尊属に遺留分があります。

 

子が被相続人よりも先に亡くなっている場合は、その子に代わって孫が代襲相続人となり、遺留分が認められます。また、被相続人の子がまだ胎児であっても、その胎児が生きて生まれてくれば、遺留分が認められます。

「遺留分の割合」はどのように規定されているのか

遺留分の割合(総体的遺留分)については、以下のように規定されています。

 

被相続人の直系尊属のみが相続人となる場合:1/3
上記以外の場合:1/2

 

さらに個々の遺留分(個別的遺留分)を計算する場合には、総体的遺留分にそれぞれの法定相続分を乗じた割合となります。

法定相続人は長男と次男…遺留分の計算方法は?

遺留分は、「遺留分を算定するための財産の価額×個別的遺留分の割合」で計算することができます。

 

・被相続人の相続財産は土地5,000万円、預貯金2,000万円、債務の額は400万円
・被相続人は亡くなる8年前、長男に特別受益にあたる預貯金の贈与300万円を行った
・被相続人は亡くなる5年前、次男に特別受益にあたる預貯金の贈与800万円を行った
・法定相続人は長男と次男2名である

 

以上を前提とすると、遺留分を算定するための財産の価額は以下のようになります。

 

土地5,000万円+預貯金2,000万円+生前に長男へ贈与した預貯金300万円+生前に次男に贈与した預貯金800万円=8,100万円

長男と次男それぞれの遺留分=8,100万円×1/4=2,025万円

 

※特別受益にあたる贈与とは、相続人への遺贈、生計の資本としての贈与や、婚姻・養子縁組のための贈与など、相続分の前渡しといえる生前贈与のことです。令和元年の民法改正により、遺留分の計算における特別受益にあたる贈与は、相続開始前の10年間に行われたものに限定されることとなりました。

 

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税理士法人田尻会計 税理士

平成28年3月税理士登録 日本FP協会AFP 登録政治資金監査人

横浜国立大学教育学部卒業。一般企業の経理部を経て、平成15年税理士法人田尻会計入社。
法人及び個人のお客様の監査・決算業務とともに、現在は相続・事業承継業務を多く担当する。
毎月お客様を訪問し丁寧に話を聞くことで、適切なアドバイスができるよう心掛けている。

著者紹介

連載相続専門税理士が事例で解説!「相続・事業承継」の進め方

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