【STEP2】がけ地の方角とがけ地割合を求める
■がけ地の方角を確認する
がけ地補正率はがけ地の方角によって異なります。がけ地の方角を調べるには、地図や公図などの図面を参照するとよいでしょう。
図表3では、がけ地は東向きになっていることがわかります。
がけ地の方角が「北西」のように東西南北の4つの方角に一致しない場合は、北向きと西向きのがけ地補正率の平均値を使います。
■がけ地割合を計算する
がけ地補正率はがけ地割合によっても異なります。図表3では、総地積が240㎡であるのに対してがけ地の地積が60㎡であることから、がけ地割合は次のとおり計算します。
【STEP3】評価額の計算を行う
がけ地の方角とがけ地割合をもとにがけ地補正率を確認し、がけ地補正率を使って土地の評価額を計算します。
■がけ地補正率を確認する
がけ地補正率表でがけ地補正率を確認します。がけ地割合は0.25であることから、0.20以上の欄を参照します。
がけ地は東向きであることから、がけ地補正率は0.91であることが読み取れます。
■1㎡あたりの評価額を計算する
がけ地がある土地の1㎡あたりの評価額は、下記の算式のとおり、土地が平坦であると仮定して求めた価額にがけ地補正率をかけて計算します。
図表3の場合では、次のとおり計算します。
(奥行価格補正率は図表3に示したとおり1.00とします。奥行価格補正率についての説明は省略します)
■1㎡あたりの評価額に面積をかける
1㎡あたりの評価額に面積をかけて、土地の評価額を計算します。面積はがけ地の部分も含めた総面積を使用します。
以上の結果、図表3の土地の評価額は21,840,000円となります。
がけ地補正率を使う上での注意点
がけ地が2方向以上の場合
がけ地が2方向以上にある土地のがけ地補正率は、方位別のがけ地補正率をがけ地の地積で加重平均して求めます。具体的な計算の手順は次のとおりです。
・土地の総地積に対するすべてのがけ地部分の割合を求めます。
・その割合に対応する各方位のがけ地補正率をがけ地補正率表で参照します。
・それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均して、がけ地補正率を算出します。
算式で表わすと図表5のようになります。
では、北向きと西向きの2方向にがけ地がある場合(図表6)のがけ地補正率を求めてみましょう。
総地積に対するすべてのがけ地部分の地積の割合を求めます。
がけ地補正率表でがけ地補正率を確認します。がけ地割合は0.45であることから、0.40以上の欄を参照します(図表7)。
西向きのがけ地補正率は0.82、北向きのがけ地補正率は0.78であることが読み取れます。それぞれのがけ地補正率を方位別のがけ地の地積で加重平均します(図表8)。
以上の結果、この土地のがけ地補正率は「0.80」となります。