「よく分からないけど、漠然と不安」…理解すべきは
ここで問題となるのが、多くの人は年金制度に対して漠然とした不安を感じているにもかかわらず、その仕組みを正確に理解していないということです。逆に、制度の仕組みをきちんと理解していないがゆえに、不安が消えないということがあるのかもしれません。
公的年金だけでは老後資金が不足するとしても、その制度を正しく理解し、自分の老後資金がどれくらい不足する可能性があり、それを補うためにはどういった自己準備をすればいいのか、また、自己準備をするために用意されている制度にはどのようなものがあるのか、といったことを理解していれば「よく分からないけど、漠然と不安」ということは、大部分なくなるのではないでしょうか。
人は、何も見えない暗闇のなかでは怖くて歩くことができません。しかし灯りをつけて周りの状況を見えるようにすれば、安心して歩みを進めることができます。
お金の状況も、見える化されていれば、たとえ不足する部分があるとしても、じゃあそれをどうしようかと、前向きに考えを進めることができるようになります。
細川 知宏
企業年金コンサルタント