自己負担率の上昇等で、診療所の受診は「抑制傾向」
人口と診療所数の関係だけでなく、それ以外にも自己負担率の上昇、オンライン診療の普及、OTC医薬品の拡大なども、患者さんの診療所受診を減らすことになります。
特に自己負担率の上昇は、受診抑制となり、長期処方を希望される患者さんが増えていくことでしょう。
経済の専門家のなかには、財政悪化しておりこのままの医療制度では財政破綻を起こしかねない、抜本的な改革が必要という識者もいます。
クリニックの小型化は避けられない
将来的には、1診療所あたりの患者数が減るため、クリニックの小型化は避けられないと予想されます。
損益分岐点を下げるために、家賃や人件費を下げ、クリニックが小型化していくことになるでしょう。
歯科医院では虫歯が減ったことにより需要が減ったものの、歯科医師は増えていることから供給が増えて、1歯科診療所あたりの患者数は激減しました。現在では、医療事務や歯科衛生士を雇用せずに院長1人で運営している歯科クリニックもあります。
同じように、医療事務や看護師を雇用せずに、院長1人で運営していくクリニックが増えてきても不思議ではありません。
これから開業を考えている場合は、将来的には患者数が半減してしまう可能性も想定したうえで、計画することが必須となるでしょう。
また、先ほどの例のように開業医の収入が2分の1、3分の1になってしまう例も可能性としては十分にあり、厳しい状況となることを見越して、子どもが医師になることに疑問を持っている医師も少なからずいます。
これからの時代において、開業医はかなり厳しくなっていくことは間違いないでしょう。
蓮池 林太郎
新宿駅前クリニック 院長
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