(※画像はイメージです/PIXTA)

開業医にとって「跡継ぎ問題」は深刻な課題です。「わが子にクリニックを継がせたい」と考える開業医は少なくありませんが、医師への道は決して容易ではなく、親の期待と願いが子どもへの多大なプレッシャーとなってしまうケースも…あります。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が解説します。

医者、開業医の子どもが医者になれなくなっている現実

開業医には後継ぎ問題があります。後継ぎがいなかったら、閉院することになりますし、価値があるクリニックであれば第三者への売却となってしまいます。

 

今後、医者という職業がどのようになっていくかはわかりませんが、子どもが医者になるかならないか、医者になったとしても後を継ぐのか継がないのかによって、クリニックの経営も変わっていくことでしょう。

 

医学部の偏差値推移を調べてみると、現在70歳前後の世代が受験した1970年ごろで、日東駒専レベル以上、40歳前後の世代が受験した2000年ごろで、偏差値50台後半のMARCHレベル以上の学力が必要でしたが、現在は、偏差値60台前半の早慶レベル以上の学力が必要です。

 

親としては自分達の世代のときと、難易度が大きく異なることを理解しなくてはいけません。

 

2000年ごろの私立医学部の偏差値58以上というのは、各予備校が実施している試験を受ける人のうち、だいたい10人のうち2番以内、現在の偏差値63以上というのは、だいたい10人のうち1番以内ということになるので、半分の狭き門になっており、2倍難しくなっているとも考えることができます。

 

私立医学部の学費が安くなったこともあり、今までは、東大や京大などの難関国立大学や早慶などの難関私立大学の理系の学部に進学していた高校生が医学部に進学するようになりました。

 

私立医学部の偏差値上位校は、国立医学部の偏差値下位校よりも偏差値が高いこともあります。

 

その分、医者、開業医の子どもが医者になれなくなっている現実があります。特に医師不足が問題となっている地方のクリニックや病院がスムーズに世襲されることは、社会のインフラの維持という観点からも重要なことのように思えます。

 

大学受験や中学受験の書籍やブログ、子どもを医者にした先輩開業医や予備校講師から、どのようにして子どもを教育した方がいいのか傾向と対策をまとめてみました。

 

筆者自身はまだまだ勉強ですので、いい情報があれば教えていただきたいものです。

当然だが、子どもの能力には「個人差」があるので…

大前提して、受験における子どもの能力には生まれながらにして個人差があります。

 

受験には記憶力と持続力が大いに関係しているといわれており、人それぞれ持って生まれた遺伝子によりある程度は決まっています。

 

遺伝子が異なる二卵性の双子を同じように教育しても、同じ成績になるわけではなく、大きく異なることもよくあります。

 

私立医学部の一般受験(推薦は除く)においては、現役よりも一浪のほうが入学者が多く、現役よりも二浪のほうが多い私立医学部もあります。それだけ難易度が上がっているということでしょう。

医学部受験に向け「中高一貫校」に入学するのも有効

難関大学や医学部に合格実績のある中高一貫校への入学は、有利になるようです。もし通える範囲内に中高一貫校があるなら、選択肢にするのもいいでしょう。

 

中高一貫校は、中学3年から高校の英語や数学を先取り学習し、高校3年前期までに高校の履修範囲を終わらせて、残りの時間を演習に使うことができます。

 

とはいえ、難関中学に入れば難関大学に入れるというのではなく、「難関中学は難関大学に入れそうな優秀な生徒を選別しているから、進学実績がいい」ということでもあります。

 

難関中学・高校のなかには、授業内容は高度でも、受験への面倒見があまりよくないところもあります。あえてそういったところを避け、偏差値はそこまで高くなくても、大学受験への面倒見がいい学校を受験するケースもあるようです。

 

また、偏差値の高い中学を狙って子どもの実力以上の難関中学に入れたとしても、落ちこぼれてしまうこともあります。

 

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