(写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、ニッセイ基礎研究所が2021年7月30日に公開したレポートを転載したものです。

3.賃料水準が安定、賃貸マンション用地へ投資しやすい状況が続く

賃貸マンションが投資家に人気の原因の一つは、世界的に安定したキャッシュフローが期待できるセクターを選好する投資家が増加していることにある。東京都心5区の賃貸マンションの賃料水準は、新宿区では2019年初以降、それ以外の区は2020年初以降はほぼ横ばいの傾向にあり、ピークは越えたが一定水準から下がっていない[図表3]。

 

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[図表3]東京都心5区の賃貸マンションの平均募集賃料(坪)

 

さらに、コロナ禍下でも日本国内の賃貸マンションでは従来より延滞がほとんど発生していないことから、コロナショックの下でも安定した収益を獲得できることが再確認され、国際的にも収益の安定性が印象づけられている。

 

また、東京都心5区の賃料を見ると、2018年から2020年初までは港区が一強で、港区の賃料水準は群を抜いて高かった。しかし、現在は渋谷区と港区の二強で安定しつつあり、この2区の賃料水準は月額の坪単価が1.9万円程度で推移している。

 

今後、高い水準の賃料が得られるエリアが広がれば、設備やスペックがより良い賃貸マンション用の適地が多くなり、相対的に数の少ない高級賃貸マンションが建設される範囲も広がり、賃貸マンション市場全体の収益性を高める可能性がある。

 

次ページ4.貸家の着工も増加をし始めている

本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

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