僕は僕で生きていくしかない
天より人を視れば、みな同じく生みしところのものである。
【『渋沢栄一訓言集』道徳と功利】
■いろいろと不満はありますが、1日24時間は一緒です
渋沢さんの言葉のとおり、僕も人間はみんな同じだと思っています。もちろん、生まれ持った才能が違うこともあるかもしれません。天才もときどきはいるので、よく考えてみると不公平だらけだと思うこともあります。「天は二物を与えず」と言いますが、「与えてんじゃねえか!」と怒り心頭のときもあります。
「なぜ僕は埼玉の春日部に生まれたんだ、僕だって港区の金持ちに生まれたら、何か違った人生が開けていたのに!」と勝手に思った時期もありました。みんなそう思うこと、あると思います。実際には、金持ちの家に生まれなかったという現実が、僕にもあるわけです。
でも、世の中、2世、3世、4世が大勢います。それはそうなんだけれども、「話が違うじゃないか」と思いながらも生きていくしかないのが、僕たちです。
人間は平等だと言うけれど、矛盾はある。むしろ、矛盾だらけです。人間はその矛盾を前提に生きていったほうがいいと思います。
こちらも何か苦しみながら生きていく結果が、僕たち人間の味になるというか、その苦しみが味になるはずです。
何をやろうが、時間は平等で僕たちは一緒です。これは天から見たら、「おまえに与えている1日は、みんなとまったく一緒だぞ。その時間、何するの? 何に使うかは、みんなの自由だよ」ということだと思います。
時間が一緒だとすると、ますます努力が大切になります。僕は僕で生きていくしかない。そのアキラメ、現実を踏まえると、矛盾にはもう振り返らずに、その与えられた同じ時間をどう使うかに思いを巡らせたいです。