渋沢栄一の言葉の中には現代からすると古く、説教臭く感じる言葉もあります。けれどもそんな言葉も「お笑い中間管理職」の目で眺めると身近な言葉に感じられるといいます。歴史好きとして知られるお笑い芸人のビビる大木さんは一体何を感じ取ったのでしょうか?※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

古いと思われる言葉も身近になってくる

老人たちこそ学問せよ。精神を衰弱させないためだ

しかして文明の老人たるには、身体はたとい衰弱するとしても、精神が衰弱せぬようにしたい、精神を衰弱せぬようにするは学問によるほかはない。

【『論語と算盤』立志と学問】

 

■精神を大いに高揚させて、学びの喜びを知る!

 

最近のシルバーの方たちには、しっかりと本を読み、学ぶことに喜びを感じて生きていらっしゃる方が増えてきていると言います。大学で行われるカルチャーセンターや、図書館に通って熱心に学ばれたりする方も多いそうです。

 

しかし、その一方で、シルバーの方たちの不良化も少しずつ目立ってきているようで、時間を持て余しているのか、街中での喧嘩にシルバーの方が絡んでいたりすることも少なくないとか……。

 

そんな中での渋沢さんの言葉、「老人たちこそ学問せよ」には「なるほど」と思いました。精神の衰弱こそ、不良化する第一歩だからです。

 

加えて、僕たち世代の問題として引きつけて考えてみますと、僕たち大人が気をつけなくてはならないのは、「わからないイコールつまらない」と、わりと即断しがちなところです。

 

これはダメです。歳をとってくると、みんな、「自分が理解できないものはつまらない」というジャンルに入れてしまうのは、己のわがままを押さえられないからです。

 

「あなたが理解してないだけで、つまらないとは別だからね」と、こちら側が理解しておかないといけないと思いました。つまらないと排除するのは、自分では気持ちいいのですが、結局そのようにして時代から取り残されてしまうのだと思います。

 

渋沢さんの言葉は明治から昭和初期の言葉が中心です。表現等は確かに古いと思われる言葉も多いですし、少し説教的だなと思う言葉もありますが、「お笑い中間管理職」の目で眺めて、感じたことを書いていると言葉が身近になってきます。

 

渋沢さんの言葉をどう解釈するか、解釈の仕方によっては、自分たちの問題になることもあるとわかりました。言葉とは、おもしろいものですね。

 

■僕らは新しいものに翻弄されてきました!

 

僕らの世代を振り返ると、高校生ぐらいからポケベルが登場し、おじさんから若者にも、ポケベルが下りて来ました。

 

「こうやって連絡取るんだ。ただ僕はお金もないし、そんなに払えないから持てないな」

 

と思いながら過ごしていました。それが20歳ぐらいから持つようになり、しかし25歳ぐらいから、今度は携帯電話が登場しました。これもまた、持てる人、持てない人に分かれ、しかしだんだん持てるようになってきました。ガラケーの携帯電話は、やがてスマホに……。

 

新しいものが次々に出てきて、それに対応しているつもりですが、明らかに世の中のITが僕を追い越していくみたいな感じが、知らない間に起きています。

 

残りの人生、あと45年、50年あると思っていますが、「一通り対応していかないと歳とってから相当苦労するぞ」という危機感があります。学びの世界はまだまだ続くと感じています。

 

 

ビビる大木

 

 

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