格差が出ることが当たり前だった明治時代の民主主義の時代。そんな中、渋沢栄一は慈善事業で、東京養育院など貧しい方に施すような組織を作るなどその異色さが伺えます。彼は一体どんな思想を抱いていたのか。歴史好きとして知られるお笑い芸人のビビる大木さんが解説します。※本連載は、ビビる大木氏の著書『ビビる大木、渋沢栄一を語る』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

慣れている仕事だからこそセルフチェックに注意を払う

「慣れること」に慣れてはいけない

要するに習慣というものは、善くもなり、悪くもなるから、別して注意せねばならない。

【『渋沢栄一訓言集』座右銘と家訓】

 

■変わらないでいるためには、常に変わり続ける

 

「慣れること」に慣れてはいけない、というのは日々の仕事で感じています。ある程度、キャリアを重ねると、気づかないうちにこなすことをしそうになります。自分の感覚では仕事をした感じになっていますが、しかしよく見ると、どこかでこなしている感じが出ているんです。

 

たとえば、レギュラー番組では番組構成が大きく変わることはないので、毎週仕事をしているとだんだん頭も慣れて来て、「この番組はこれぐらいの感じかな」と勝手に判断して、こなしていくという感じが少し芽生えてきます。

 

そういうとき、僕は「こなすのではなく、乗り越えるという感覚で仕事をしないとダメだな」と思うようにしています。

 

だから毎週、セルフチェックをしています。やっていることはそんなに難しく見えてないはずです。それだけに、ちょっと注意を払わないとダメかなと思っています。

 

以前、郷ひろみさんがテレビで、「変わらないでいるためには、常に変わり続けないとダメなんだ」とおっしゃっていました。本当にそのとおりだと思います。

 

「お笑い中間管理職」としても、変わり続けるために、新しい感覚とか、新しい考え方を受け止めていく必要があると思います。

 

明治維新のときに、世界の西洋文化が入って来て、海外のほうが進んでいることを日本人は知りました。しかし一方で、日本の浮世絵などがどんどん海外に流れ、その浮世絵を見た欧米人は「これはすごい」となりました。どちらも、すごいと思ったわけです。

 

当然、僕たちにもまだそういうことと同じことがあると思うので、今までの日本が全部ダメだったと捨ててはいけないと思うし、その見極めをするだけでも、新しい自分になれると思います。

 

最近はどうしても海外のほうが進んだ考え方があると、みんな思い込んでいるような気がします。仕事にしても、何にしてもです。でも、僕は日本に住んでいるのだから、日本ならではの考え方があって当たり前じゃないかなと思っています。

 

ニューヨークから来た、ハワイから来た、ロサンゼルスで流行っているというだけで飛びつくのではなくて、飛びつくのはいいけれど、世界で全然流行っていないけど、僕たちは「これ好きだよね」という考え方があってもいいといつも思っています。

 

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ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる大木、渋沢栄一を語る

ビビる 大木

プレジデント社

歴史好き芸人・ビビる大木が、 同郷の偉人・渋沢栄一の遺した言葉を紐解く! 「はじめまして、こんばんみ! 大物先輩芸人と大勢の後輩芸人の狭間で揺れる40代『お笑い中間管理職』の僕。芸人としてこれからどうやって生き…

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