(※写真はイメージです/PIXTA)

住宅金融支援機構が公表しているデータによると、コロナ禍の現在、25人に1人が住宅ローンの返済に問題を抱えていると分かっています。もし払えなくて延滞してしまった場合、どうなるのか…。深刻化する住宅ローン問題について、クラッチ不動産株式会社代表取締役の井上悠一氏が解説します。

「ブラックリスト」とは一体?入る境目はどこか

③ブラックリストに載せられる

 

巷でよく「ブラックリスト」という言葉を耳にしますが、ブラックリストというものはなく、正式には個人信用情報といいます。個人信用情報(以下「信用情報」)とは、平たくいえばその人の借入に関する情報のことです。「どこからいくら借りているか」「延滞していないか」といった情報が事細かく載せられています。

 

信用情報を取り扱う機関には、日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)という3つの機関があり、各金融機関はいずれかの、あるいは複数の信用情報機関に加盟していて、自社で得られた顧客の情報(いくら貸したか、返済状況など)を、加盟している信用情報機関に登録します。

 

登録された情報は、信用情報機関で一括管理され、その機関に加盟している金融機関の間で共有されることになります。つまり、住宅ローンの延滞は、融資先の金融機関だけでなく、その金融機関が加盟している信用情報機関の加盟会員であるほかの金融機関であれば、容易に知ることができるのです。

 

ただし、1回の延滞でも返済履歴に「遅延」もしくは「未入金」といった記録は残りますが、1回限りであればそれほど問題視されることはありません。

 

ほかの金融機関でローンを組んだり、クレジットカードを作ったりする場合、審査の段階で重視されるのは「異動」情報です。異動情報とは、住宅ローンの支払いが61日もしくは3ヵ月以上遅れている場合に記録される延滞情報のことで、信用情報に異動情報が記録されていれば、審査はまず通らないと覚悟しておいてください。

 

しかも、この異動情報は、延滞が解消されてから5年間は保有されますので、その間、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることは、ほぼ不可能になります。

 

●日本信用情報機構(JICC)

 

貸金業法に基づく信用情報機関として国から指定を受けた指定信用情報機関。消費者金融会社、銀行、信販、クレジット会社、保証会社などが加盟しています。

 

●シー・アイ・シー(CIC)

 

割賦販売法と貸金業法に基づく信用情報機関として国から指定を受けた指定信用情報機関。クレジットカード会社、ローンを取り扱う銀行、一部の消費者金融が加盟しています。

 

●全国銀行個人信用情報センター(KSC)

 

一般社団法人全国銀行協会が運営している信用情報機関。銀行や信用金庫、農業協同組合といった銀行系の金融機関のほか、保証会社やローン会社などが加盟しています。

 

 

井上 悠一

クラッチ不動産株式会社 代表取締役

 

※本連載は、井上悠一氏の著書『あなたを住宅ローン危機から救う方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

あなたを住宅ローン危機から救う方法

あなたを住宅ローン危機から救う方法

井上 悠一

幻冬舎メディアコンサルティング

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