▲トップへ戻る
信託財産を守る「倒産隔離機能」とは何か?

前回は、委託者から受託者に移転された財産(信託財産)は、委託者・受託者、どちらのものになるかを説明しました。今回は、信託独自の「倒産隔離機能」について見ていきます。

信託財産は「誰の財産でもない」!?

信託が設定されると、信託財産の所有権が、委託者から受託者(信託会社等)に移転し、信託登記と同時に所有権移転登記をします。そのとき信託財産は、受託者の名義になりますが、その財産は、信託の目的に従って管理・処分されるものとして受託者固有の財産から独立したものとされます。

 

つまり、信託財産は委託者、受託者いずれの財産からも独立して存在するため、委託者及び受託者の債権者は信託財産に対しては強制執行することができず、万が一、委託者及び受託者が破産しても、信託財産は委託者の破産財団には属さないことになります(図表参照)。

 

このように、委託者及び受託者双方の破産から隔離される機能を「信託の倒産隔離機能」といいます。この倒産隔離機能は信託独自の機能ともいえます。また、英米法では信託財産を「誰の財産でもない」(Nobodsy’property)という場合がありますが、意味としては同じことです。

 

【図表 信託財産は受託者、委託者の双方から独立して存在する】

 

【POINT】

① 信託財産は委託者からも受託者からも独立して存在する
② 信託財産は委託者、受託者の破産の影響を受けない
③ 倒産隔離機能は信託独自の機能

虎ノ門法律経済事務所 所長弁護士

昭和41年3月、中央大学法学部法律学科卒業。昭和48年3月、早稲田大学大学院修士課程政治学研究科修了。昭和45年4月、弁護士登録(東京弁護士会)。昭和47年4月、千賀法律事務所を開設(現在の虎ノ門法律経済事務所)。平成11年に日弁連常務理事、平成12年に東京家庭裁判所調停委員、平成14年に東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会委員長など、数多くの公職を歴任。現在は、虎ノ門法律経済事務所を母体とする株式会社虎ノ門サポート信託の代表取締役も務め、個人を中心に不動産信託に特化した財産管理のサポートをしている。

著者紹介

連載資産防衛のための「信託」の基礎知識

本連載は、2013年12月2日刊行の書籍『資産運用と相続対策を両立する不動産信託入門』から抜粋したものです。その後の法改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

 

資産運用と相続対策を両立する 不動産信託入門

資産運用と相続対策を両立する 不動産信託入門

編著 千賀 修一

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢の不動産オーナーなどは、老後の不動産管理や賃貸経営、そして相続に関して、さまざまな不安要素が生じてくるものです。不動産管理に関する知識がなかったり、あるいは財産を目当てとした思わぬトラブルなどが発生したりし…

 

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧