(※写真はイメージです/PIXTA)

「本当にきちんとした人だったね」としみじみ惜しまれるか、「最後の最後まで迷惑かけて!」と罵倒されるかは、生前の終活準備にかかっています。また終活は残された家族のためだけでなく、自分自身の人生を振り返り、終活へ向けた気持ちの整理にもなるという。本連載は長尾義弘・福岡武彦著『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

家族が亡くなったときの手続きは意外と煩雑

■生前整理は老いてからではなく元気なうちに

 

●生前整理

 

生前整理も、元気で体力があるうちにやっておきたいことの一つです。身体が不自由になったり、認知症になってからでは難しくなります。

 

子どもたちが遺品整理をする際、親のものはなかなか捨てられず、そのままになってしまうことが多いものです。生前整理はそうした負担を減らすためでもありますし、財産目録を作るうえでも役に立ちます。

 

また、自分たちにとっても、シンプルで暮らしやすくなるメリットがあります。

 

人が亡くなると、さまざまな手続きが必要になるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
人が亡くなると、さまざまな手続きが必要になるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

●亡くなったときの手続きは煩雑

 

人が亡くなると、さまざまな手続きが必要になります。

 

人生で何度かは経験することだと思いますので、その一部を紹介しておきましょう。

 

・死亡診断書、死亡届の提出
・埋葬・火葬許可申請書の提出
・遺言書の検認・開封
・年金受給の停止手続き
・世帯主の変更
・未支給年金の請求
・介護保険の資格喪失届
・国民健康保険の資格喪失届
・戸籍謄本・除籍謄本・住民票・印鑑証明書の入手

 

これらは、提出の期限が決まっていたり、書類がそろわないと手続きができないものもあります。かなりたいへんな作業になり、決めないといけないことが次から次へと起こります。

 

●相続の手続きは早め早めの準備を

 

次は、相続についてです。

 

親が亡くなるとと同時に、法律上では「相続の開始」になります。

 

しかし実際は、葬儀や法要の催行、さまざまな手続き、役所への届けなど、たくさんあります。

 

さらに、葬儀費用の支払い、香典返しなど、悲しみとあまりの慌ただしさに、ゆっくりできる時間はありません。

 

気持ちがある程度落ち着いてくるのが、四十九日の法要が過ぎたころです。ようやくそこから、相続の話し合いが始まることが多いようです。

 

とはいえ相続の手続きも、のんびりしていられません。

 

相続放棄は相続が開始してから3か月以内におこなわなければなりませんし、4か月以内には「所得税・消費税の準確定申告」をする必要があります。

 

そして、「相続税の申告・納付」は10か月以内です。この10か月という期限は、あっという間にやってきます。

 

早め早めに対処をしておくのが賢明です。

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定年の教科書 お金 健康 生きがい

定年の教科書 お金 健康 生きがい

長尾 義弘 福岡 武彦

河出書房新社

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