「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」「健康」「生きがい」です。妻を亡くした男性の余命は、同年齢の平均余命に比べて30%短くなるそうです。ちなみに、夫を亡くした女性の平均余命には変化がないとのこと。長い老後をどう過ごせばいいのでしょうか。本連載は長尾義弘・福岡武彦著『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。
自分で老後だと思わなければ、老後ではなくなる
■あなたの中から「老後」をなくそう!
あなたは、何歳からを老後だと思いますか。
メットライフ生命の「老後を変える全国47都道府県大調査」(2019年)によると、平均は「67歳」だそうです。ただし、年齢が上がるほど、老後だと思う年齢は上がっていきます。60代~70代の回答は「70歳」が大半を占めていました。年齢以外の理由では、「身体が思うように動かなくなったとき」がトップです。
老後って、いくつからなのでしょう。
あるとき相談にみえた85歳の方は、「これからの老後資金が心配で、お金を増やせないか」と悩んでいました。94歳の父に「いまは老後だと思っている?」と尋ねたところ、「ぜんぜん思ってないよ! 100歳まで生きるし」という答えが返ってきました。
人生の先輩方は、老後はまだまだ先だと思っているようですよ。
60代は気力・体力ともにあります。仕事がなくなったといって、くすぶってはいけません。新たなチャレンジのときです。
「老後」の定義はまちまちです。自分で老後だと思わなければ、老後ではなくなります。 老後の心配がなくなる究極の方法は、「老後をなくすこと」です。これは楽しい人生を送れる近道でもあると思います。
そのためにも、ぜひ生きがいを見つけてください。
■夫の早死にを防ぐ極意は「キッチン」にあった?
夫婦で過ごす老後の時間が長くなり、夫婦間の会話が増えるのはとてもいいことです。とはいえ、いつかはどちらかが先に亡くなります。ここは避けようのない宿命です。平均余命で考えると、夫のほうが先に死亡する確率が高いのですが、こればっかりはわかりません。
ある日、妻に先立たれることだってあります。
残された夫はもれなく孤独感に苛まれます。しかし、実生活でもっと困った事態に直面します。それは食事や掃除、洗濯といった日常的な家事です。
NEO企画
代表
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員
徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな! 』(河出書房新社)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』『定年後の手続きガイド』など多数。
著者プロフィール詳細
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連載定年後は余生ではない…愉しい老後ライフを手に入れる心構えと知恵
株式会社ライフエレメンツ代表取締役
税理士
大前研一氏が設立した起業家・アントレプレナー育成学校アタッカーズ・ビジネススクールを経て、以来30年以上にわたってアントレプレナー支援、インバウンド税務会計に携わっている。大手監査法人KPMGの金融・国際取引税務部、米国海外勤務、外資金融企業勤務を経て三聖トラスト会計事務所を設立。法人向けサービスとして、各分野の辛口の専門家をタレント化するプロダクション部を設ける。また、福利厚生や社員研修の一環として、オンデマンド研修、ビデオコンテンツ制作等をおこなうWEBライブイルミネーター事業を展開している。
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