正社員でも「突然クビになる時代」が来た…先進国で非正規雇用が増大している恐ろしい背景 (※写真はイメージです/PIXTA)

情報通信技術の進化により、今やどこの土地にいても仕事をもらえる環境になりました。海外の仕事を行う場合、かつては外国に工場やオフィスを移転しなければ現地の仕事がもらえなかった時代に比べれば一見、労働者にとって便利な時代になったようにも思うでしょう。しかし「働く場所が関係なくなった」という事実がどんなリスクをもたらすのか、ご存じでしょうか。※本記事は、谷本真由美氏の著書『日本人が知らない世界標準の働き方』(PHP研究所)より一部を抜粋・再編集したものです。

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先進国では「製造業の仕事」が急速に減少中

仕事をする場所が関係なくなっている、という傾向は、先進国から製造業の仕事が急速に減っていることからも裏づけられます。

 

例えば、イギリスのビジネス・イノベーションおよび技能省(BIS〈2016年に廃止〉)によれば、製造業は1990年にGDPの22%を生み出していましたが、2014年には11%に低下しています。アメリカとフランスもほぼ似たようなレベルで、製造業の生み出す付加価値の割合は下がっています。製造業が強いはずのドイツや日本でもやはり割合は下がっています(図表1)。

 

Source:UNCTAD Handbook of Statistics https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/31786/ 10-1334-manufacturing-in-the-UK-supplementary-analysis.pdf
[図表1]製造業の仕事が減る先進国 Source:UNCTAD Handbook of Statistics
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/31786/
10-1334-manufacturing-in-the-UK-supplementary-analysis.pdf

 

一方で、中国では、1990年には35.5%だったのが、2008年には42.7%に上昇しています。同省はこの変化を、製造業では多くの仕事が海外の新興国に外注され、さらに情報通信技術の発達により、サービス業に比べて、製造業の生み出す製品の値段が急落したことが原因だとしています。

 

製造業が生み出す付加価値が減っている国では、1990年以後、製造業における雇用も減っています(図表2)。

 

Source:OECD STAN Database https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/31786/ 10-1334-manufacturing-in-the-UK-supplementary-analysis.pdf
[図表2]製造業における雇用の減少 Source:OECD STAN Database
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/31786/
10-1334-manufacturing-in-the-UK-supplementary-analysis.pdf

 

イギリスでは1990年に510万人が雇用されていたのが、2008年には310万人までに減少しています。この減少は、アメリカ、日本、ドイツの方が大きいというのも注目すべき点です。

 

また、製造業の仕事においても、企画やマーケティングなどのサポート業務の仕事は増えていますが、製造管理や、生産エンジニアの仕事は減っている上に、賃金も下がっているのです。つまり、バリューチェーンの下層部にあり、付加価値の少ない仕事は、製造業のうちでも、海外に出してしまう傾向が高くなっています。製造業の仕事が減少した国では、その一方で、サービス業や金融による富が増えています。

公認情報システム監査人(CISA)

神奈川県生まれ。公認情報システム監査人(CISA)。シラキュース大学大学院国際関係論および情報管理学修士。ロビイスト、ITベンチャー、経営コンサルティングファーム、国連専門機関情報通信官、金融機関などを経て、情報通信サービスのコンサルティング業務に従事。専門はITガバナンス、サービスレベル管理、システム監査、オフショア開発及び運用管理、多国籍チームの管理、情報通信市場および規制調査。日本、イギリス、アメリカ、イタリアの現地組織での就労経験。現在はロンドン在住。ツイッター上では、May_Roma(めいろま)として舌鋒鋭いツイートで好評を博する。趣味はハードロック/ヘビーメタル鑑賞、漫画、料理。

著書に『キャリアポルノは人生の無駄だ』(朝日新聞出版)、『日本が世界一「貧しい」国である件について』(祥伝社)、『世界のニュースを日本人は何も知らない』(ワニブックス)、共著として『添削!日本人英語』(朝日出版社)などがある。

著者紹介

連載これからの時代を生き抜く知恵を伝授!日本人が知らない「世界標準の働き方」

日本人が知らない世界標準の働き方

日本人が知らない世界標準の働き方

谷本 真由美

PHP研究所

「働き方」にこれほど悩むのは日本人だけ⁉ 好評ロングセラー、『日本人の働き方の9割がヤバい件について』を大幅に加筆してアップデート! 日本、イギリス、アメリカ、イタリアの現地組織での就労経験を持つ著者が、海…

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