「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」「健康」「生きがい」です。妻を亡くした男性の余命は、同年齢の平均余命に比べて30%短くなるそうです。ちなみに、夫を亡くした女性の平均余命には変化がないとのこと。長い老後をどう過ごせばいいのでしょうか。本連載は長尾義弘・福岡武彦著『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。
妻に先立たれても生活していける力を身につける
現役時代は、朝とたまに夕食を準備するだけですんだかもしれません。でも、定年後は毎日家にいるため、妻は1日に3回の食事を用意することになります。それまでに比べ、負担が増えるわけです。
これを週に1回でも手伝うことで、妻は気分的にもかなり違います。夫の株がグッと上昇するのは間違いないでしょう。逆にいっさい料理をせず、食事時になるたび「メシはまだ~」なんて催促していると、熟年離婚のリスクが高まってしまいます。ただでさえ「濡れ落ち葉」になっているなら、さらに危険です。
定年後は時間がたっぷりあります。料理をしていると楽しい時間を過ごすことができ、妻の機嫌もよくなる。まさに一石二鳥です。
ただし、「料理をしてくれるのはいいけれど、散らかしっ放しで後片づけをしないんだから!」などと怒られないように。妻の手間を増やしては逆効果です。
先ほどのベターホームの調査によると、料理教室に通う前は、料理以外の家事をほとんどしなかったという人が約37%でした。ところが、通ったあとは、家事をほとんどしない人が約12%に減っていました。料理をきっかけとして、家事全般に目が向くようになったのでしょう。
料理がきっかけでも、掃除がきっかけでもいいのですが、日常的に家事を手伝う生活を実践してみませんか。そのときになっていきなりやれといわれても、なかなかできるものではありません。
配偶者に先立たれても生活していける力を、日頃から鍛えていくことは大切です。
長尾 義弘
ファイナンシャルプランナー
AFP
日本年金学会会員
福岡 武彦
1株式会社ライフエレメンツ代表取締役
税理士
NEO企画
代表
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員
徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな! 』(河出書房新社)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』『定年後の手続きガイド』など多数。
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連載定年後は余生ではない…愉しい老後ライフを手に入れる心構えと知恵
株式会社ライフエレメンツ代表取締役
税理士
大前研一氏が設立した起業家・アントレプレナー育成学校アタッカーズ・ビジネススクールを経て、以来30年以上にわたってアントレプレナー支援、インバウンド税務会計に携わっている。大手監査法人KPMGの金融・国際取引税務部、米国海外勤務、外資金融企業勤務を経て三聖トラスト会計事務所を設立。法人向けサービスとして、各分野の辛口の専門家をタレント化するプロダクション部を設ける。また、福利厚生や社員研修の一環として、オンデマンド研修、ビデオコンテンツ制作等をおこなうWEBライブイルミネーター事業を展開している。
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