妻を亡くした男性の余命は約30%短くなる
家事はほとんど妻任せにしていませんか。担い手がいなくなったら、とたんに日々の暮らしが回らなくなります。
洗濯物は洗濯機が洗ってくれるとしても、ひとり暮らしだとそれを干すのもおっくうになって、同じ下着を何日も着ていたり、一日中パジャマのままで過ごしたり。日常が壊れ、外出も少なくなるという悪循環に陥ってしまいます。
こんなだらけた生活を送っていれば、長生きできるはずがないでしょう。
いっぽう、妻が残された場合は違います。炊事、洗濯、掃除などは長年続けてきたことなので、日常生活が大きく崩れる可能性は低いのです。
アメリカのロチェスター工科大学の研究によると、妻を亡くした男性の余命は、同年齢の平均余命に比べて30%短くなるそうです。ちなみに、夫を亡くした女性の平均余命には変化がないとのこと。なんとなくうなずける研究結果ですね。
そういえば、芸能人の夫婦の例では、朝丘雪路さんの死から99日目に、夫の津川雅彦さんが心不全で亡くなっています。また、樹木希林さんの亡くなった半年後に、夫の内田裕也さんが亡くなっています。
夫婦どちらも元気で長生きをし、ポックリ逝くのは理想ですが、そううまくはいかないのが現実です。
とくに家事に不慣れな夫は要注意。いまのうちから自活能力を身につけ、自立した健康的な生活を続けられるようにしておくことが重要です。そのためには、食事の用意、洗濯、掃除などの家事を、日常的に夫婦で分担してはいかがでしょうか。
先に少し触れましたが、定年後に夫が料理を習うことはお勧めです。昨今は熟年男性向けの料理教室もあり、人気を集めているそうです。
先立たれるだけでなく、妻が入院するケースも考えられます。そんなとき、「お米のとぎ方」「包丁の持ち方」がわからないでは、その日の食事すらままなりません。食事がおろそかになれば、体力だって衰えます。
「ベターホーム」のアンケート調査によると、最初はほとんど料理をしない人が約75%でした。しかし、料理を習うことで、月に2~3回、家で料理をするようになった人が約50%に増えました。
また、妻の負担を減らすという意味でも料理は大きなメリットがあります。