古い住宅ほど、塗装前の「補修工事」が高額
<古い住宅ほど費用がかかる>
築年数が長いほど、住宅の劣化は進んでいます。傷みをきちんと補修してからでなければ塗装の作業に入れないため、築年数の長い住宅ほど工事の費用は高くなります。とくに、外壁そのものより外壁の骨組みとなっている木材は傷みやすく、古い住宅では補修が欠かせません。延坪30坪・2階建ての住宅の築年数と費用相場の違いは以下のようになります。
●築10年なら外壁・外壁周りを数ヵ所程度の補修で相場は約50万円
●築20年なら外壁・屋根・外壁周りを数ヵ所程度の補修で相場は約60万円
●築30年なら外壁・屋根・外壁周りを広範囲の補修で相場は約70万円
●築40年なら外壁・屋根・外壁周り全体を補修で相場は約80万円
古い住宅ほど費用が高くなっていることが分かります。工事を依頼する側としては、「外壁塗装だけしてくれればいいのに」と思うでしょうが、塗装する場所やその周辺が傷んでいると塗料をきれいに塗れませんし、塗料に断熱機能がある場合も外壁に傷みや劣化があると塗料本来の能力を発揮できません。塗装の前段階として、補修作業が重要なのです。
雨や潮風…気候や地勢によっても「適した塗料」が変化
<土地の環境>
住宅が建っている土地の環境は、外壁塗装にとって意外と重要な条件になります。日本国内でも気温が高い土地もあれば低い土地もあり、雨や雪がよく降る、乾燥しやすい、潮風にさらされるなど多くの特徴があります。そしてこの特徴ごとに適した塗料が異なるので、費用相場も変化するのです。
塗装は英語でPaintingのほかにCoatingとも表現されるように、色を塗るだけではなく塗膜で覆って保護する目的もあります。とくに近年はさまざまな機能をもつ塗料が登場しているので、その土地特有の環境から住宅を守ることができるようになっています。
例えば、気温が低い土地で断熱効果のある塗料を使えば寒気から住宅内を守って暖房の効きが良くなりますし、潮風にさらされる土地で塩害に対応した塗料を使えば住宅の傷みを軽減できます。
このような機能性塗料は機能を付与していない塗料より高額になることが多いですが、土地の環境に合わせた塗料を選ぶと大切な住宅をより快適な場にできるのです。