(※画像はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、年金支給開始年齢はどんどん繰り下がっています。中年世代が、自分の親と同じような老後プランを思い浮かべていると、大変なことになりかねません。メガバンク勤務のち新銀行東京の創業メンバーとして活躍、その後多くの企業の責任者を歴任してきた著者が、新しい働き方を提唱します。※本記事は、大杉潤氏の著書『定年起業を始めるならこの1冊! 定年ひとり起業』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

70歳まで働く時代の選択肢は「再雇用」でいいのか

これまでの「65歳まで働く時代」であれば、60歳定年後に5年間の「定年再雇用」によって同じ会社で働き続け、65歳からの年金受給により15年間の余生を過ごす、というライフスタイルが可能でした。

 

ところが、年金受給開始が70歳に向けて引き上がり、「70歳まで働く時代」に移行すると、同じ「再雇用」という働き方でいいのでしょうか?

 

筆者は、以下の3つの理由で、60歳定年時に、「定年再雇用」(65歳時には「定年再々雇用」)という選択をするのは極めてリスクが高いと考えています。

 

1.10年間の再雇用期間で年収が大きく下がるリスクがある

2.勤務条件(日数・時間・場所)は会社からの提示に従わざるを得ない

3.仕事も会社からの提示となり、自らの裁量が少なく、やりがいを感じにくい

 

とくに、60歳定年時に「再雇用」を選択してしまうと、65歳になったときに、70歳までの働き方について、方向転換のハードルが極めて高くなると思うのです。

 

70歳までの就業確保については、①定年制度の廃止、②定年延長、③定年再雇用制度のほかに、④業務委託契約の締結など起業支援、⑤社会貢献活動への参加支援が挙げられていますが、これまで多くの企業は①、②ではなく、③の定年再雇用制度で65歳までの雇用を図ってきました。

 

しかし、70歳までとなると、すべての人の雇用は難しく、④、⑤のような「雇用以外の選択」も考えるようになるでしょう。

 

いずれ65歳でそうした状況になるのであれば、60歳定年退職時に、早めに「再雇用」以外の選択をした方がリスクは少ない、というのが筆者の考え方です。

 

60歳から5年くらいは我慢して「再雇用」で働き続けられても、70歳までの10年間は厳しいと思うのです。

 

とくに収入面で不安があります。

 

それよりも、60歳の時点で、転職や「定年ひとり起業」という道へ進んだ方がいいのではないでしょうか。

 

60歳の時点で、今後10年間の働き方や収入をすべて会社に託してしまって大丈夫でしょうか?

 

どうせリスクがあるなら、自らリスクをコントロールできる起業の方がいい、というのが筆者の考え方です。

 

それもできれば年齢的に気力も体力も充実している60歳定年の時点、さらに準備が可能なら定年を待たずに50代で起業へ踏み出すのが最もリスクが少ないと考え、筆者は57歳で起業しました。

 

「起業」というと、リスクが大きくてハードルが高いと感じる人が、会社員では大半でしょう。

 

筆者もそうでした。ただ、自分でやってみて実感しているのですが、「定年ひとり起業」というやり方は、会社員にとって非常にリスクは少なく、ハードルも低いのです。

 

なぜか?

 

「定年」という時期に行うことと、「ひとり起業」という形態で、初期投資もランニングコストもほとんどゼロに抑えて起業することが可能だからです。

 

 

大杉 潤

経営コンサルタント

ビジネス書作家

 

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