70歳年金受給への移行が完了は、2043年4月と予想
これまでも年金受給開始年齢について詳述してきましたが(『年金受給開始年齢「70歳」はほぼ確定…最悪のシナリオを読む』参照)、ここからは、今の定年世代の問題というよりはもっと若い世代に直接影響することですので、若い読者の方はぜひしっかりとお読みください。
筆者の予測が正しければ、70歳年金受給への移行が完了するのは、2031年4月スタートの12年後になりますので、2043年4月です。そこから4年間だけ70歳年金受給が維持されます。
対象は、1973年4月2日生まれから1977年4月1日生まれまでの4学年です。
つまり、1977年4月2日以降に生まれた方々は、75歳受給への移行措置を受けることになり、ここから12年かけて75歳受給へ移行することになるでしょう。
先の長い話ですが、75歳受給開始への移行を開始するのは、2048年4月、すなわち今から27年後になります。
そして2060年4月、今から約40年後には75歳年金受給開始となるでしょう。
「そんな先の話、どうなるか分からない」「私には関係ない」という人が大半だと思うのですが、現在60代の筆者ですら、もし平均寿命より長く生きているとすれば、2048年5月には90歳であり、まったく関係ないとも言い切れません。
またそれよりも1985年4月2日以降に生まれた人、2021年1月現在では30代半ばより若い人たちは、筆者の予測が正しければ年金受給開始が75歳になります。筆者には子供が二人いますが、長男も長女も75歳受給開始になるでしょう。
年金数理計算というのは、実は一般人には到底、理解できない専門的な領域のものであり、筆者の予測はそうした計算に基づいているものでは一切ありません。
アクチュアリーという年金数理計算をする資格(公益社団法人日本アクチュアリー会が実施)があり、全科目合格までに平均8年かかると言われる難関資格なので、筆者などにはまったく歯が立たない領域です。
しかし、そうした精緻な計算をしなくても人口構成の歪みを考えれば、「年金受給開始年齢の引き上げ」以外に日本の年金制度を持続可能にする方法がない、というのは誰でもわかるでしょう。
以上、年金制度改正の見通しの話が長くなりましたが、結論としては、定年前後の世代の方々は70歳年金受給を前提に、30代半ばより若い世代の人たちは75歳年金受給を前提に、自らのキャリアプランや人生設計を考えた方がいい、ということです。
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