※画像はイメージです/PIXTA

駐車場経営やアパート経営をするにあたって、土地整備や建築物の維持管理など、さまざまな費用が発生します。しかし、すべてを「経費」にできるわけではなく、項目ごとの細かい区分があるため、注意が必要です。ランドマーク税理士法人の代表税理士、清田幸弘氏が解説します。※本記事は『令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド』(税務研究会出版局)より一部を抜粋・再編集したものです。

アパートの修理代…減価償却資産か、必要経費か

Q

私は不動産賃貸業を営んでいます。アパートを建ててから今年で10年がたち、多額の修理代がかかるようになってきました。毎年支払った修理代を一度に経費として計上できれば、所得税の支払いも楽になるのですが、そうすることはできないようです。そこで、資産計上しなければならない場合と経費として計上できる場合との区別について教えてください。

 

A

アパート経営では、入居者を確保するために常に外観をきれいにし、部屋を使いやすい状態にしておく必要があり、修理代が多くかかるものです。しかし、修理代をすべて経費にすることはできません。以下で減価償却資産(資本的支出として資産計上しなければならない部分)として扱うのか、必要経費として処理するのかの区別の方法を解説します。

 

◆解説◆

修理代が何を目的として支払われたかによって区別します。

修理代が原状回復や維持管理のために支払われた場合
  → 全額を必要経費に算入

修理代が従来の機能を向上させたり価値を増加させたりする目的で支払われた場合
  → 減価償却資産

壊れたものを新しく買換えた場合
  → 減価償却資産

 

 

 

あ
(注1)青色申告者である中小企業者(従業員500人以下)の少額減価償却資産(取得価額が10万円以上30万円未満)の特例に該当する場合は、年300万円を限度として、取得価額の全額を必要経費とすることができます(令和4年3月31日までに業務の用に供したものに限る)。
(注2)前年末における取得価額とは、未償却の帳簿残高ではなく、最初の取得価額に、その固定資産につき支出された既往の資本的支出額を加算したものです。

 

 

清田 幸弘

ランドマーク税理士法人 代表税理士

 

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令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド

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清田 幸弘

税務研究会出版局

農家の長男として生まれ、現在、各農協・農協連合会等で顧問税理士を勤めるかたわら、農協連合会や各農協等で多数の講演も行う著者が、自らも農業者である視点から、都市部の農家や地主の方のために「経営改善と節税、事業承継…

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