事業用資産を廃棄したい…どんな処理方法がある?
Q
今年8月に、2年前の1月に取得した事業用資産を廃棄することになりました。その際の処理方法について教えてください。
また、廃棄した資産については下記のとおりです。
取得価額:35万円
耐用年数:15年
償却率 :0.167
償却方法:定率法
前期までの償却費:107,138円
A
原則、期中廃棄等した償却資産については減価償却費の計上はせず、期首帳簿価額が除却損となり、費用に計上されます。
◆解説◆
固定資産については、原則、期中償却は行いません。しかし、便宜的に年初から除却直前までの減価償却費の計上が認められています。よって、次のいずれかを選択することができます。
①除却時までの減価償却費を必要経費に計上し、直前の未償却残額を除却損とする方法
②除却時までの減価償却費を計上しないで、年初未償却残額を除却損とする方法
計算方法は次のとおりです。
350,000円 - 107,138円 = 242,862円
242,862円 - 242,862円 × 0.167 × 8/12 = 215,824円
したがって、仕訳はそれぞれ次のようになります。(直接法)
なお、売却の場合には、所得税(個人)においては、期中償却の有無により、譲渡所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額が異なることとなります。有利不利の判断は難しいため、専門家に相談するとよいでしょう。