※画像はイメージです/PIXTA

駐車場経営やアパート経営をするにあたって、土地整備や建築物の維持管理など、さまざまな費用が発生します。しかし、すべてを「経費」にできるわけではなく、項目ごとの細かい区分があるため、注意が必要です。ランドマーク税理士法人の代表税理士、清田幸弘氏が解説します。※本記事は『令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド』(税務研究会出版局)より一部を抜粋・再編集したものです。

貸し駐車場の整備費用は、どのように経費処理すべき?

Q

私は市街化区域内に所有している農地を月極青空駐車場として貸すために整備しました。このために次のような費用がかかりました。それぞれどのように処理すればよいのでしょうか。

 

① 整地および砂利敷きの費用 50万円

② 側溝および排水路整備費用 50万円

③ フェンス設置費用 30万円

④ 看板設置費用 8万円

 

A

駐車場として利用するためにかかった費用を、それぞれについて減価償却するか、必要経費として処理するかを個別に分類することになります。

 

◆解説◆

①の整地および砂利敷きの費用については減価償却の対象になります。この農地を駐車場として使用するために整備した費用等はいわば駐車場の取得原価に当たります。この場合の耐用年数は、「構築物」の「舗装道路および舗装路面」のうち「石敷のもの」の15年を適用することになります。

ただし、所得税基本通達には、「現に使用している土地の水はけ等を良くするために行う砂利敷きの費用であれば修繕費に該当する」と定められており、その後補修のために再度整地や砂利等を設置した場合には修繕費として処理することになります。

②の側溝および排水路整備費用、③のフェンス設置費用については駐車場設置に伴って新たに取得した資産と考えられるので減価償却の対象になります。側溝および排水路整備の耐用年数は「構築物」の「コンクリート造またはコンクリートブロック造のもの」のうち「下水道」の15年、フェンス設置費用の耐用年数は「構築物」の「金属造のもの」のうち「へい」の10年を適用することになります。④の看板設置費用8万円については、取得価額10万円未満なので必要経費として処理することになります。

 

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令和3年度 都市農家・地主の税金ガイド

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清田 幸弘

税務研究会出版局

農家の長男として生まれ、現在、各農協・農協連合会等で顧問税理士を勤めるかたわら、農協連合会や各農協等で多数の講演も行う著者が、自らも農業者である視点から、都市部の農家や地主の方のために「経営改善と節税、事業承継…

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