青色申告に切り替え、妻に専従者給与を支払いたい
Q
私は貸家を少々持っていますが、このたび新たにアパートを建てようと思っており所得を試算してみたところ、1年間で500万円程度を見込んでいます。そこで、この機会に青色申告にして、以前から管理等を手伝っている妻に専従者給与を支払おうと思っているのですが、その手続きについて教えてください。
A
「所得税の青色申告承認申請書」と「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署長に提出します。
◆解説◆
解説不動産所得、事業所得及び山林所得を生ずべき業務を行う全ての方は、白色申告者でも日々の取引を記帳しなければならないため、この事例の場合には青色申告に切替えたほうが、青色事業専従者に支払った給与を必要経費とすることができるなど、様々なメリットがあります。以下、青色申告と青色事業専従者に関する手続きについて解説します。
(1)新規に青色申告をする場合
その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
(2)新規に開業して青色申告をする場合
① 1月15日以前に開業した場合…その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出
② 1月16日以後に開業した場合…開業の日から2ヵ月以内に「所得税の青色申告承認申請書」を提出なお、新規開業の場合にはこの他に「個人事業の開廃業等届出書」もあわせて提出しなければなりません。
③ 相続により青色申告事業を引継いだ人が青色申告をしようとする場合
(3)専従者給与の届出
青色申告をする人が、その配偶者や子供など、生計を一にする親族でその青色申告者の事業に従事している者に対して給与を支払う場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署長に提出しなければなりません。
また、同時に青色事業専従者に給与の支払いを開始するには、「給与支払事務所等の開設届出書」、納期の特例を受けたい源泉徴収義務者は「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する必要があります。
(4)電子帳簿保存を開始する場合の申請
電子帳簿保存の適用を受けるには、電子帳簿保存を開始する日の3ヵ月前の日までに申請書を提出して税務署長の承認を受けます(令和4年分から承認制度は廃止され、届出書の提出となります)。原則として課税期間の途中からの適用は不可です。新たに業務を開始した者についてはその開始した日から2月を経過する日までに提出すればその年分から適用できます。
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