自立の方も入居できる「混合型有料老人ホーム」
我々『介護の三ツ星コンシェルジュ編集部』にある相談のうち、ホームを探すのに苦労するのは、次のような相談です。
「ご両親のうち、お父さまが脳梗塞で入院。半身麻痺で車椅子状態。要介護4。お母さまが自立。ご両親お2人だけでお住まいなので、何かあった時に心配だし、お母さまは体力的にご主人を介護するのが難しい。2人が同室で一緒に入居できるホームを探してほしい」
探せそうでなかなか探すのが難しいのがこういった案件です。我々がこういった場合に相談者に対しておすすめするのが「混合型有料老人ホーム」です。
■混合型有料老人ホームとは?
ご夫婦のうちお1人が自立、お1人が要介護3、どちらも一緒に入居できるホーム「混合型有料老人ホーム」とは、介護付き有料老人ホームの一分類です。
そもそも介護付き有料老人ホームは、入居対象を要介護1以上の方に限定した「介護専用型」と、そうでない方(自立・要支援の方)でも入居できる「混合型」があります。「混合型」のなかにも要支援・要介護の方のみが入れるホームと、自立の方も受け入れ可能なホームに分かれます。
ほとんどの介護付き有料老人ホームが、「介護専用型」もしくは「要支援・要介護認定をおもちの方のみが入居可能な混合型」となります。
自立の方も入居可能にするためには、同世代の方と接する機会がもてるレクリエーションやサークル活動を盛んに行い、日常生活に楽しみを付加する必要があるのと、食事に対してのより強い要望に応える必要があるため、事業者としては介護認定をおもちの方のみを対象にしたほうが効率的に運営ができます。
また、自立の方は介護保険を適用できないため、入居者1人あたりの施設への介護保険収入が少なくなり、経営面で施設の運営を圧迫する場合もあります。こういったことが、自立の方の受け入れを阻害する要因になります。
施設のホームページなどを見ただけでは、自立の方も一緒に入居できる混合型有料老人ホームなのか、自立の方は入居対象外の混合型有料老人ホームなのか、なかなか見分けがつかないのが現状です。
パンフレットを取り寄せ、気に入って見学に行ったにもかかわらず断られるケースも多々あります。
自立の方も入居可能な混合型有料老人ホームを探す場合は、入居相談事業者に相談することをおすすめします。
最近は、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でも、「混合型有料老人ホーム」のような運営を行うところも出てきました。
一昔前は、「1つの部屋でご夫婦2人がお住まいできる、例えば30m2以上の間取りがあるホーム」といえば、入居一時金数千万円という高級型の有料老人ホームに限られていました。
お金持ちの方は、「将来の不安に備えて多少の負担をしても仕方がない」ということで入居されていましたが、それ以外の方には「高嶺の花」ということで、ご自宅で老老介護を継続する方がほとんどでした。
しかし、大手を中心に比較的規模の大きい施設を運営する事業者で、自立・要介護のご夫婦のための2人部屋を備えているホームが見受けられます。
関西では、チャーム・ケア・コーポレーションや、学研ココファン、ベネッセスタイルケアなどが運営するホームは、ほぼこういった方々の受け入れが可能となっています。
しかし、こういったホームを探す場合、特に「自立」の方のご要望が多いのが現状です。「入居費用」「立地」「大浴場・大食堂があるところ」「サークル活動が充実したところ」「居室が30m2以上」「居室に浴室がついているところ」「洗濯機が置けるところ」などです。要望が多ければ多いほど、ホーム探しは難しくなってきます。
荒牧誠也氏
株式会社ベイシス
取締役シニア事業部長
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