アクティブ運用の変化…「ファンダメンタルズ分析一択」から「戦略分散の時代」へ (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。今回は、「アクティブファンド」の運用方法の変化について見ていきます。

「効率的市場仮説」は3種類に分けられる

伝統的ファイナンスのベースとなっている「効率的市場仮説」は、すべての情報があらゆる種類の証券価格に瞬時に反映される仮説のことをいう。そして、資産運用の理論的背景である現代証券投資理論(MPT)は、この効率的市場仮説を前提にしている。

 

この効率的市場仮説は、証券価格に反映される「利用可能なすべての情報」をどのように考えるかによって、「ウィーク・フォーム」「セミストロング・フォーム」「ストロング・フォーム」の3種類の効率性に分けられる。それぞれ説明する。

 

◆「ウィーク・フォーム」の効率性

ウィーク型の効率的市場は、将来の証券価格の変動が過去の証券価格の変動あるいはパターンから独立している市場で、過去の価格情報はすべて現在の価格に反映されている、将来の価格予想には役に立たない市場のことを指す。

 

このような市場においては、過去の価格の動きやそのパターンから将来のトレンドなどを予想しようとする「テクニカル分析」は、市場平均を上回るパフォーマンスを上げることができないとして否定される。

 

◆「セミストロング・フォーム」の効率性

セミストロング型の効率的市場は、価格情報に限らず、すべての公開情報が即座に、また完全に証券価格に反映している市場を指す。

 

このような市場においては、企業の財務・会計情報(経営者予想含む)などの公開情報を用いる「ファンダメンタルズ分析」は、市場平均を上回るパフォーマンスを上げることができないとして否定される。

 

◆「ストロング・フォーム」の効率性

ストロング型の効率的市場は、公開情報に限らず、内部情報までも含めた利用可能なすべての情報が即座に、また完全に証券価格に反映している市場を指す。

 

このような市場においては、ファンダメンタルズ分析だけでなく、内部情報の所有者(インサイダー)でさえも市場平均を上回る収益率を上げることはできないとされる。そのため、市場平均程度の収益率を目指すことが最善の投資方法となり、インデックスファンドでの運用が推奨される。

 

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東海東京調査センター
投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

山一證券、メリルリンチ日本証券、損保ジャパンアセット(現SOMPOアセット)などでの富裕層・法人営業に加え、年金基金、投資信託のアナリストやファンドマネージャーとして新興市場やオルタナティブを含む幅広い市場・商品の担当責任者を経て、2016年に東海東京調査センター入社。

現職では短中期の戦術的資産配分(タクティカル・アセットアロケーション)やオルタナティブ投資(ヘッジファンド・テクニカルやコモディティ戦略含む)の視点を踏まえたグローバルな日本株の市場分析等を行う。他の代替資産・戦略としてJリート投資戦略、ESG投資戦略、行動ファイナンス投資戦略などもカバーしている。

英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA。アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院米国臨床心理学修士号(MA)。慶應義塾大学商学部卒。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、国際テクニカルアナリスト連盟検定テクニカルアナリスト(MFTA)、CFP、英国王立勅許鑑定士(MRICS)、不動産証券化協会認定マスター、中小企業診断士。

日経CNBCなどのTV・メディアに出演。日経新聞、QUICK、ロイター、ブルームバーグ、時事通信、東洋経済オンライン、幻冬舎ゴールドオンラインなどでも執筆、コメントを行う。ヘッジファンド・テクニカルのキャリアとして世界のテクニカルアナリスト協会を束ねる国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)の理事などを歴任。早稲田大学ビジネスファイナンスセンターや同志社大学、青山学院大学等で講師を務める。

著書には投信営業に行動ファイナンスアプローチなどを活用した『会話で学ぶ!プロフェッショナルを目指す人の「投信営業」の教科書』(2021年)がある。

●オルタナティブ投資戦略(東海東京TV)
https://www.tokaitokyo.co.jp/tv/public/market/global.html

著者紹介

連載東海東京調査センター「オルタナティブ投資戦略取材レポート」

このレポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断の最終決定は、お客様自身の判断でなさるようお願いいたします。このレポートは、信頼できると考えられる情報に基づいて作成されていますが、東海東京調査センターおよび東海東京証券は、その正確性及び完全性に関して責任を負うものではありません。なお、このレポートに記載された意見は、作成日における判断です。

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