(※画像はイメージです/PIXTA)

超高齢化社会の日本では、介護は身近な問題です。ここでは、骨折した高齢母の入退院に悩む子のケースのほか、夫を1人で介護する妻の事例をあげながら、最適な介護サービス・施設の活用術を解説します。※本記事は長年に渡り介護事業の運営・マネジメントに携わってきた福岡浩氏の著書『プロの調査員が教える! 介護事業所・施設の選び方が本当にわかる本』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

麻痺のある夫をケアする高齢妻、老々介護に限界が…

脳梗塞の後遺症で片麻痺のある夫を妻が1人で介護していましたが、妻自身も高齢で限界にきています。

 

●特養ホーム入所を申し込むも入れない

 

脳梗塞で倒れ、入院、治療、リハビリテーションの末、中度の左片麻痺(要介護3)が残った夫(77歳)を、妻が1人で介護していました。しかし妻も75歳間近で体調を崩しやすく、もう限界で最寄りの地域包括支援センターに相談に行きました。

 

要介護3の夫は、入所条件も満たしているので、遠方にいる子ども達とも相談した結果、特別養護老人ホームの入所申込みをすることになりました。

 

しかし、入所は1年以上先になりそうなので、このまま在宅生活を続けるにあたり、ケアマネジャー(介護支援専門員)に依頼することにしました。

 

※平成28年4月1日時点における特別養護老人ホームへの入所申込者について、重複申込等(複数施設への申し込み、申し込み後の死亡等)を排除して集計するよう各都道府県に依頼したもの 出所:厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」(H29.3.27)
[図表2]特別養護老人ホームの入所申込者の状況 ※平成28年4月1日時点における特別養護老人ホームへの入所申込者について、重複申込等(複数施設への申し込み、申し込み後の死亡等)を排除して集計するよう各都道府県に依頼したもの
出所:厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」(H29.3.27)

 

●定期巡回・随時対応型サービスで在宅維持

 

そこで、ケアマネジャーから、妻の介護負担を軽減するためには、24時間365日利用できる訪問介護と訪問看護を提案されました。これは定期巡回・随時対応型訪問介護看護というサービスです。

 

要介護3の夫のトイレ介助や入浴介助などのために、1日数回定期的に訪問するサービスのほか、利用者からのコールに随時対応で訪問するサービスもあります。医療的ケアや服薬管理が必要な場合には、訪問看護の看護師も訪問します。1日何回利用しても費用は定額制なので、使いやすいでしょう。

 

ただ、全国的に見ると、この定期巡回型サービスは事業者がまだまだ少ないのがネックです。

 

この他にも、月に数回の訪問診療も加えて万全の体制で、特養ホーム入所を待つことになりました。

 

出所:厚生労働省資料
[図表3]定期巡回・随時対応サービスのイメージ 出所:厚生労働省資料

 

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