高齢者施設には複数の種類があり、入所対象となる介護レベルや提供されるサービスが異なっています。本記事では「介護老人保健施設」「介護医療院」「介護療養型医療施設」についてそれぞれ解説します。※本記事は長年に渡り介護事業の運営・マネジメントに携わってきた福岡浩氏の著書『プロの調査員が教える! 介護事業所・施設の選び方が本当にわかる本』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。
介護老人保健施設:リハビリしながら在宅復帰を目指す
利用者が自立した日常生活を営むことができるよう、日常生活動作のリハビリテーションなどを行いながら在宅復帰をめざす施設です。
在宅生活の復帰を目的にしているので、退所して住み慣れた自宅の生活ができるかどうか、専門職の職員などが定期的に検討します。また、病状により入院治療の必要が認められる場合には、適切な医療機関を紹介します。
●介護老人保健施設を利用する
介護老人保健施設(以下、「老健施設」)は、前述の「短期入所療養介護」(以下、「ショートステイ」)を併設している場合が多いです。そこで、ショートステイに短期入所し、施設に空きが出るのを待つような使い方もされています。ただし、1つの医療法人が病院、老健施設、併設のショートステイと、3つの機能を兼ね備えている場合も少なくありません。
そう考えると、突然の病気で入院し、一通りの治療が終わると、病院では療養できませんから、在宅に戻って療養するか、それが困難であれば病院系列の老健施設の入所を勧められます。しかし、空きがなければしばらくはショートステイに入所し、空きを待つことになり、言われるままにたらい回しにされるケースもあります。
一時的には在宅復帰できたとしても、最終的に在宅復帰が難しくなると、後述する「介護療養型医療施設」に入所し、最期を迎えることになります。
利用者負担は原則1割(所得により2割・3割)で、食費と居住費(部屋代)は自己負担となりますが、低所得者には補足給付があります。
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介護業務運営・業務改善コンサルタント
元介護サービス情報の公表制度主任調査員
(株)やさしい手FC事業部(現:コンサルティング事業部)で6年間、FC運営指導業務を担当の後、独立し、2005年4月、有限会社業務改善創研を設立。介護事業者に対する介護事業運営とその業務改善に関わる指導、支援業務(コンサルティング)等を開始。訪問介護事業、居宅介護支援、通所介護、グループホーム、小規模多機能型居宅介護、サービス付き高齢者向け住宅などの事業運営に関するコンサルティングを行う。
2006年4月より神奈川県介護サービス情報の公表制度主任調査員を務め、現在までに330か所以上の介護サービス事業所、介護施設等の調査を担当。また、民間企業や地方自治体の主催する介護事業経営者、介護事業所管理者向けの数多くのセミナー、研修会等の講師を務める。
主な著書に、『訪問介護・通所介護・居宅介護支援 選ばれる事業所運営の鉄則』(日総研出版)、『標準化・効率化方針でこう変わった! 実地指導 基本と実務対応』(自由国民社)がある。
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