高齢者にとって「生活環境の変化」は大きなストレス
●要介護になっても自宅で暮らしたい
横浜市の実施した「平成28年度横浜市高齢者実態調査」の結果をご覧ください。
『あなたは今後もご自宅での介護を希望しますか?』という問いに、『(在宅サービスを利用しながら)自宅で暮らし続けたい』と回答している要介護者は、7割超(71.6%)です。平成20年度の同調査結果でも、ほぼ同様の7割超だったことから、要介護状態にある高齢者が在宅生活の継続を望む思いは変わっていないことがわかります。
これは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた自宅で暮らし続けたいという気持ちが強いということを示しています。
高齢者にとって生活環境の変化は、様々な不安を抱え込むことになります。
例えば、息子夫婦から「部屋が空いているから一緒に住もう。」と言われて同居したけれど、数ヵ月で自宅に戻ったという話をよく聞きます。原因は人によって異なりますが、多いのは生活のリズムが大きく変わったことによるストレスです。
ストレスで体調を崩したり、病気になることもあります。長く1人で勝手気ままに生活していた人ほど、食事の時間や入浴の時間を決められると、息苦しくなる人もいます。また、住み慣れた地域から全く初めての地域へ行って暮らす不安や不自由さもあります。
何よりも大きな変化は、長年の近所付き合いがなくなり、人間関係がゼロになります。息子夫婦が共働きならば、日中は1人になります。
そうなると、マイナス面の方が大きく、長い目で見ればそうしたマイナス面が本人の健康をむしばみ、寿命を縮める原因にならないとも限りません。
●必ずしも同居が安全・安心とは限らない
介護が必要になった別居の親が気になる人の言い分は、「お父さん(お母さん)のことが心配だから、いっしょに住んだ方がいい。」というものです。親の希望を尊重せずに自分たちの都合を優先して、安易に親の生活環境を変えてしまわないように十分に話し合うことが大切です。
もちろん、例外もあります。新しい生活環境にすぐに馴染める高齢者もおり、そういう人は自ら積極的に住まいを変えることがあります。庭付き一戸建ての自宅から、駅に近く生活インフラが充実していて利便性が高く、セキュリティも万全なマンションに移り住む高齢者もいます。
ただし、今住んでいる家や地域でこれからも暮らしたいと思うのは、高齢者の7割が望んでいるということを忘れてはなりません。
注目のセミナー情報
【減価償却】11月20日(水)開催
<今年の節税対策にも!>
経営者なら知っておきたい
今が旬の「暗号資産のマイニング」活用術
【国内不動産】11月20日(水)開催
高所得ビジネスマンのための「本気の節税スキーム」
百戦錬磨のプロが教える
実情に合わせたフレキシブルな節税術