(※画像はイメージです/PIXTA)

老親の介護を自宅で行うのか、それとも施設への入所(入居)にするのか。子どもにとっては悩ましい問題です。労力や資金力を中心とするのではなく、本人の希望に近づけることが望ましいといえます。※本記事は長年に渡り介護事業の運営・マネジメントに携わってきた福岡浩氏の著書『プロの調査員が教える! 介護事業所・施設の選び方が本当にわかる本』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

認知症も早めの診断で打つ手はある

認知症の初期症状は、専門医でも診断が分かれるところですが、明らかに認知症の症状が見られる時とそうでない時があります。

 

●認知症のチェックリスト(15項目)

 

さて、下記は高齢者が自分自身の認知症を確認するために日常生活の中でできることをチェックするためのものですが、家族が親の認知症をチェックするためにも使えると思います。

 

結果は、下段の方にチェックの数と年齢で、どの範囲に該当するかを確認します。例えば、75歳で8個以上あれば、念のために物忘れ外来などを受診した方がよいでしょう。

 

日常生活の中で、次のようなことができるか、〇をつけてください。

□ 自分で電話番号を調べて、電話をかけることができる。

□ リーダーとして何か行事の企画や運営を行うことができる。

□ 何かの会の世話係や会計係を務めることができる。

□ ひとりでバスや電車を利用して、あるいは車を運転して、出かけることができる。

□ 見知らぬ場所へひとりで計画を立てて旅行することができる。

□ 薬を決まった分量、決まった時間に飲むことができる。

□ 貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払い、家計のやりくりや管理などをすることができる。

□ 日用品の買い物をすることができる。

□ 請求書の支払いができる。

□ 自分で銀行預金・郵便貯金の出し入れができる。

□ 年金や税金の申告書をひとりで作成することができる。

□ 自分で食事の用意ができる。

□ 自分で掃除ができる。

□ 洗濯物・食器などの整理ができる。

□ 手紙や文章を書くことができる。

 

 

※東京都老人総合研究所のデータをもとに作成
[図表1]健常・予備軍の恐れ・認知症の恐れ ※東京都老人総合研究所のデータをもとに作成
※身体的な障害や視力・聴力の障害、気分の障害などがある場合は、正確に判定できないことがあります。
※この自己判断の結果はあくまでもおおよその目安で、医学診断に代わるものではありません。認知症の診断には審問医療機関での受診が必要です。

 

 

認知症と診断されても、初期症状の時期であれば専門医の定期的な治療と投薬などで、現在の状態をできるだけ維持することは可能です。ただし、周囲の人や家族の対応の仕方がよくないと、症状は加速度的に進行することがあります。

 

認知症の親を抱える家族は、認知症の親を中心とした日常生活を送ることになりますが、初期症状が長く安定していれば、本人は穏やかな生活を続けられます。家族の負担も最小限に止められます。

 

●認知症も在宅介護サービスを利用できる

 

認知症になっても利用できる介護保険サービスはいろいろとあります。家族と同居していて、昼間はひとりになる認知症の要介護高齢者には、認知症の人だけが通うデイサービス(認知症対応型通所介護)があります。認知症の利用者が少人数で、1日いっしょに過ごすことができます。

 

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