(※画像はイメージです/PIXTA)

日本人の平均寿命は延び続け、自身や近しい人の「介護」について考える必要性が高まっています。ここでは「80代の高齢夫婦世帯」「75歳の1人暮らしの男性」といった具体的な例をあげながら、最適な介護サービス・施設について解説します。※本記事は長年に渡り介護事業の運営・マネジメントに携わってきた福岡浩氏の著書『プロの調査員が教える! 介護事業所・施設の選び方が本当にわかる本』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

80代夫婦…介護保険サービスで「できないことを補う」

家事のほか、86歳の要介護1の夫の世話も80歳の妻がやってきましたが、身体もつらくなりました。妻も要介護認定を申請したところ、要支援2となりました。

 

●在宅で通所介護、訪問介護を検討

 

厚生労働省の介護保険関連の資料では、要支援1・2と要介護1・2を軽度者と言っています。この事例も軽度者の老夫婦です。在宅で受けられる介護サービスを利用して、要介護度が進行しないようにしなければなりません。できることは自分たちでやりながら、できないことを介護保険サービスで補うという考え方が必要です。

 

長年、妻が買物や家事をやってきたはずですが、それに加えて、今は要介護1の夫の世話もしています。それがだんだん難しくなり、その結果、妻も要支援2の認定を受けたとのことでした。

 

●3類型の訪問介護と通所介護を利用

 

さて、買物は主婦としての中心的な家事です。近くにスーパーマーケットやコンビニなどがあっても、買物の量や種類によっては重量があり、持ち帰るのは困難でしょう。

 

そこで、ホームヘルプサービス(訪問介護)の生活援助型などの利用が想定できます。しかし、妻は要支援2ですから、買物をすべてホームヘルパー(訪問介護員)にやってもらうわけにはいきません。妻の買物にヘルパーがいっしょに行き、買いたいものを選んで、ヘルパーがカゴを持って買物した商品を運ぶ役目とスーパーマーケットなどを往復する際の妻の見守りなどを行います。

 

また、別の日には訪問介護のヘルパーが週1回程度、部屋の掃除に来ます。介護保険制度のルールでは、日常生活の場の部屋のみの掃除しかできませんので、要介護1の夫の部屋の掃除になります。要介護高齢者にとって、椅子やテーブルなどの移動は難しいですから、訪問介護の生活援助型を利用します。

 

また、夫は自力で入浴ができません。手すりやシャワーチェアがあれば、何とか入浴できます。ヘルパーが浴室までの移動の見守り介助を行い、シャワーチェアに座って身体を洗います。家では湯船に入りませんので、週2回のデイサービス(通所介護)を利用します。

 

デイサービスではお風呂に入れてもらいます。同時に妻もデイサービスに行き、手や足、腰などを動かす生活機能訓練を受けます。

 

[図表1]デイサービス(通所介護)の一日の流れ

 

●その他、在宅支援のサービスも利用

 

前述した浴室周辺や室内に取り付ける手すりは、住宅改修として介護保険が利用できます。また、シャワーチェアは特定福祉用具販売というサービスを利用して購入が可能です(要介護1以上)。なお、これらのサービスを利用するには、事前に担当のケアマネジャーに希望、要望を伝え、相談して決めることになります。

 

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