(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスの抑制にいち早く効果を上げていたベトナムですが、第4波の発生が思いのほか大きな影響をもたらしています。市場動向は低迷から下落へ、とくに外国人の入国制限による賃貸市場の下落が顕著です。今後の市場動向はどうなるのでしょうか。南部ホーチミンを拠点とし、不動産ビジネスを展開する徳嶺勝信氏が解説します。

コロナ第4波拡大後、不動産市場は「低迷から下落へ」

4月27日から発生した新型コロナウイルスの第4波では、7月18日時点での感染者は5万202人増加して累計感染者数は5万3,469人となり、18日には1日当たりの感染者最高の5,261人を記録しました。18日午後の発表時点での感染死者数は254人で、第4波以降では219人となっています。

 

とくに南部地区ホーチミン市の感染者数が多く、最も厳しい社会隔離政策16号(ロックダウン)を発動しています。こちらについては『ベトナム不動産市場「コロナ第4波」で資金の流れに変化あり』でも述べた通り、これまでうまく感染拡大を抑えて国内市場を回してきたものの、ここへきて第4波が国内市場へ大きな影響を与えているのです。

 

上半期の不動産市場についても、コロナ禍のなかでは影響を最低限に抑制し、比較的スムーズに市場を回してきました。しかし、第4波拡大後は売買・賃貸市場とも、低迷からさらに下落へと向かっています。

 

では、2021年上半期の不動産市場の動きはどうなるのでしょうか。筆者が活動拠点としているベトナム南部ホーチミン市とその近郊を中心に、分野別に見ていきたいと思います。

売買市場…土地区画販売は5月まで活況も、その後失速

 マンション市場 

 

ベトナムのオンラインニュースサイト「Vn Express」の7月1日の不動産記事によると、ホーチミン市のマンションの新規供給数は1万1,948戸(14プロジェクト)で、ハイエンドクラス(高級)59%、ミッドエンドクラス(中高)41%、前年同時期と比較すると123%の増加でした。ただし、市場で最も必要といわれているローミドルエンド以下は0%です。不動産エージェントであるSavills Vietnamのレポートでは、上半期の販売数は低迷し、総取引数はわずか1,400戸で、前四半期の35%です。前年同期との比較では36%の減少で、販売率は37%、前同時期10%減でした。

 

【要因】

コロナ第4波の影響もあるが、市場が最も必要としているローミドルクラス以下の新規供給がなかったことで、販売数が減少しました。

 

 戸建市場(タウンハウス、ヴィラ) 

 

不動産エージェントのJones Lang Lasalle Vietnamの2021年第2四半期のレポートでは、ホーチミン市と近隣省での新規供給数は1,843戸、ホーチミン市ではわずか173戸となりました。全体で販売された住宅の総数は1,781戸となり、前四半期に比べて8.8%減少、限られた供給のなかで、ホーチミン市では183戸(新規供給数含む)が成約しました。

 

【要因】

第4波による移動制限などによる販売イベントの延期や、事業活動の延期、ホーチミン市内での販売価格の上昇(土地、建築資材)による高価格も影響しました。

 

 土地(宅地)市場 

 

不動産エージェントのDKRA VIETNAMのレポートでは、土地区画販売については近隣省の動きが活発で、調査対象の地域、ドンナイ、ビンズオン、ロンアン、バリア ブンタウで上半期に新規供給された土地区画は2,913区画となり、成約率は63%に達しました。上半期3ヵ月で平米あたりの最高単価を更新しています。

 

ドンナイ省 平米単価:4,500万VND(約21万4,000円)

ビンズオン省 平米単価:2,500万VND(約12万円)

ロンアン省 平米単価:4,270万VND(約20万円)

バリア ブンタウ省 平米単価:1,200万VND(約5万7,000円)

※ホーチミン市では4四半期連続で新規供給がないため、価格表示なしとなっています。

 

【要因】

上半期前半5月くらいまでは、土地区画の取引は活発でした。第4波後は移動の制限や営業活動の制限もあり、6月からは急ブレーキがかかっており、様子見の段階です。ホーチミン市の苦戦は、土地区画開発ができる大規模面積が少なく、土地価格も上昇していることと、市内での開発許可取得がむずかしい状況が続いていることにあります。開発会社(投資者)もおのずとホーチミン市内を避け、周辺の省での開発を進めています。従って、新規供給数も低迷している状況です。

 

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